>>1現代文訳

> 「遊都邑以永久 無明略以佐時 徒臨川以�窓宦@
> 俟河清乎未期 感蔡子之慷慨」
 都住まいも久しくなるが、世をよくする功績なく、網も持たず、
川岸で魚を得たいと望むばかり。黄河の澄むよい時世を待つも、
何時のことか計られぬ。

> 「感蔡子之慷慨 従唐生以決疑 諒天道之微昧 
> 追漁父以同嬉 超埃塵以遐逝 與世事乎長辞」 
 その昔、思いあぐねた蔡沢は、唐挙の占いに賭けて、迷いの霧をはらしたが、
まこと人の運命は見通し難く 漁父をさがし求めて楽しみをともに分ちたいものだ。
いざ、この世の塵芥から抜け出て遥かな彼方に去り、生臭い俗事との縁を永遠に絶とう。

> 「於是仲春令月 時和気清 原隰鬱茂 百草滋栄」←★
 おりしも今は春も半ばのめでたい月よ。時節はなごやか大気は澄んで 
岡も湿地も鬱そうと 百草は繁り花さく。

> 「王?鼓翼、??哀鳴 交頸頡頏 関関嚶嚶 於焉逍遥 
> 聊以娯情 爾乃龍吟方沢 虎嘯山丘 仰飛繊? 俯釣長流 
> 触矢而斃 貪餌呑鉤 落雲間之逸禽  懸淵沈之?鰡」
 みさごは羽ばたき、うぐいすは悲しげに鳴き、頸すりよせて、
上に下にと飛びかけり、仲睦まじく伴を求めて呼び交わす。
 いざやこの地に遊び歩き、しばらく情を楽しませよう。
 そうして私は、大きな沢で龍の如く吟じ 山や丘で虎のように嘯き、
仰いで細いいぐるみを放ち、俯し見ては長い流れに釣り糸を垂らすのだ。
 鳥は矢にあたって斃れ、魚は餌を貪って鉤(はり)を呑む。
かくて雲間を飛ぶがんも射落され、深い淵にひそむさりゅうも釣りあげられる。

> 「于時曜霊俄景 係以望舒 極般遊之至楽 雖日夕而忘劬 
> 感老氏之遺誡 将廻駕乎蓬蘆 弾五絃妙指 詠周孔之図書 
> 揮翰墨以奮藻 陳三皇之軌模 苟縦心於物外 安知栄辱之所如」
 いつしかに 日は西に傾き、月さし昇る。
心ゆくまで遊び楽しみ、暮れがたになるも疲れを覚えぬ。
しかし、狩を戒めた老子の遺訓に気づき、車駕をいおりに帰すことにする。
 すぐれた五絃(こと)の調べを奏で、周公・孔子の書を口吟み、
筆走らせては詩文を綴り、時には三皇の功業を書きしるす。
 執らわれぬ境に 心を解き放つならば 此の世の栄誉(ほまれ)も恥辱(はじ)も 
問うところではない。