2013年 8月 3 日(土)付
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消費増税―先送りの危うさに目を

 いまは5%の消費税率を、来年4月から8%に、15年10月には10%へと引き上げる。
 「社会保障と税の一体改革」の柱であり、法律も成立している2段階の消費増税について、
安倍首相が慎重な姿勢を見せている。最終決断するのはこの秋で、さまざまな経済指標を
見極めつつ、有識者からも意見を聞くという。

 心配は、わかる。
 経済はやっと上向いてきたものの、企業の業績改善が投資や家計消費を押し上げ、それが
企業業績を支えるという好循環には乗り切れていない。デフレ脱却と本格的な経済成長への
入り口にこぎつけたのに、増税で台無しにならないか――。
 しかし、同時に財政規律への目配りを忘れてはならない。
 先進国の中で最悪の財政難のなか、日本銀行は金融緩和のために、市場を通じて国債を大量に買っている。
 これが「中央銀行による財政の尻ぬぐい」と疑われれば、国債相場は急落し、金利が急上昇して景気の足を
引っ張る。そうなるとデフレ脱却と経済成長、財政再建のすべてが遠のいてしまう。
 政権が消費増税から逃げるかのような姿勢を見せれば、その危うさは高まる。国際社会から「信頼できる
中期財政計画」を示すよう求められているだけに、なおさらである。
 消費税の増税分は、社会保障に回される。その一部は保育所の整備など子育て支援策に充てることが決まっている。
 成長戦略の中で首相が重視する「女性が活躍できる社会」には欠かせない対策だが、
増税を先送りすれば、その実現もおぼつかなくなる。
 日本経済は、本当に増税に耐えられないのだろうか。