1977年から、2009年まで東京電力に勤務し、元福島原発の安全担当者だった蓮池透氏は、
「福島原発の原発事故の緊急対策には、炉心冷却のために海水を使うという記述はありません。
海水を炉心に注入は、原子炉を破壊することです。それをする唯一の理由は、他の水や冷却液が使えない場合です。」
と語っている。

3月12日の夜明け前、原子炉の水位は急落し始め、放射能は上昇し始めた。
当日午前4時過ぎに発表した東京電力の報道発表にはこうある。
「格納容器内の圧力は高いが安定している。」
発表の中には、多くの人々が見落としている一つの記述が埋もれていた。
「緊急冷却水循環システムが炉心内の蒸気を冷却していた。それが機能を停止した。」

午後9.51、社長命令で、原子炉建屋内は立ち入り禁止区域となった。
午後11時頃、原子炉の隣にあるタービン建屋内の放射能レベルは、一時間0.5から1.2 mSvのレベルに達した。
言い換えれば、メルトダウンは既に進行中だったのだ。
このレベルだと、20分間、このレベルの放射能に曝されれば、日本の原子炉作業員の許容量5年分を超えてしまう。

3月12日の午前4時から6時のある時点で、
吉田昌郎所長は、海水を原子炉炉心に注水するべき時期だと判断し、東京電力に通知した。
海水は、水素爆発が起きてから数時間後、午後8時頃まで、注水されなかった。
その頃では、おそらく既に遅すぎた。

3月末、東京電力は、「福島第一原子力発電所一号機の原子炉炉心状態」という題名の報告書中で、
少なくとも、こうした主張のいくつかを 多少は認める方向に進んだ。
報告書には、配管を含め、重要な設備に、津波前に損傷があったとある。