中国の少数民族に対し、われわれは二つのことを考えなくてはならない。

 第一は人道上の正義である。異民族ではあるが、中国の少数民族はいわれなく漢民族により、現在の
生活を脅かされているだけでなく、民族としての将来を閉ざされ、絶滅の危機に立たされている。
信仰を制約され否定され、民族文化の根幹である民族語を教育現場から排除され、生活のため就職の
ため中国語を強制され、少数民族は過去の独自文化を奪われようとしている。またこうした中央政府
の政策に反対の声を挙げる勇気ある人々は“テロリスト”として社会的に排除され、逮捕、拷問、
長期の懲役刑による弾圧策がとられている。われわれは不正な強者から義しい弱者を保護するという
観点から中国の少数民族を支援すべきでる。

 第二は、国益増進の観点である。現在の日本は、国内の親中派、媚中派の増殖もあって、中国の強い
圧力に対抗し兼ねるところがある。地図上でモンゴル族、チベット族、ウイグル族の居住地を眺めると、
ちょうど日本からは中国の後背地に位置していて、彼らの活動の活発化は中国政府の関心を後ろ向きに
牽制する効果があり、もしこれら三民族が結束して活動するに異たるときは、中国共産政府にとり、
一大脅威になる可能性がある。また最近は中国の外洋への進出が著しいが、これを牽制し、中国の視点
を内陸に釘付けにする効果があるかもしれない。

 私は中国の少数民族問題に関し、(3プラス1)ということを言っている。まず三民族が結束すること、
その上で中国の民主化と諸民族の独立を実現するため、もう一つ大きな勢力との結合が必要で、それが
漢民族の民主派なのか、中国共産党の分裂した一部となるのか、それとも独立を掲げる台湾であるのか、
考えをめぐらせている。いずれにせよ、共産中国の抱える矛盾の大きさと深刻さからして、このまま
では中国の繁栄継続は困難と考える。自由・民主主義の下、経済的繁栄をとげる東アジア、日本の将来
を実現するため、積極的に関わるべき課題である。