鳩山由紀夫さんのアジア外交スピーチ in 韓国(2007年4月)

要約

 「日米中のトライアングル」と同程度に「日中韓のトライアングル」が重要であるが、
 日本政府(当時・安倍首相と麻生外相)には、その認識がいまだに乏しい。

 日本外交の新機軸として唱え始めた「価値の外交」は、自由と民主主義、市場経済と法の支配、
 そして人権を尊重する国々を育てる外交で、結構だが、ふたつの問題がある。

 ひとつは中国と韓国がその際のパートナーに入っていないことで、
 もうひとつは人権と言いながら例えば慰安婦問題における「河野談話」を見直すような、
 日本が犯した人権無視の行為には、目を瞑る動きが見られることである。
 「価値の外交」とは、要するに価値観を同じくする国々とは仲良くしたり、
 自分達の価値観を押し付けようとする外交である。

 私は「価値の外交」よりも「友愛の外交」のほうが正しいと信じる。
 「友愛の外交」とは、たとえ価値観が等しくなくとも、違いを認めて、
 尊敬し信頼する外交のことである。
 東アジアに生きている我々は、かつて仇敵だった独仏が
 鉄鋼と石炭を共同管理するECSCを設立したことに端を発して、
 今日、不戦共同体とも言えるEUが出来上がったことを思い起こし、
 環境やエネルギーを協力のキーワードと考えて、東アジアに
 不戦共同体を作ることを夢物語に終わらせてはならない。
 この夢の実現に必要な理念こそ、「友愛外交」である。