流れをぶった切るようで申し訳ないんですが、先日前スレで話題になった行政訴訟について検討し、まとめてみました。

1.問題の所在

 国籍法改悪案が国会を通過し、来年一月一日から施行されることになってしまったのは皆さんがご存知のとおりです。
ところで行政法では一般に、法律では運用の細部を定めず、行政府がつくる「命令」(規則等)に一任するという
方法が取られています。改悪国籍法においてもそれに合わせて「国籍法施行規則」が改定されることになっています。

 こういった「命令」をつくる際には「意見公募手続」(パブリックコメント)を行うことが義務付けられています。
(行政手続法39条)これは原則として30日間以上の期間を定めて実施しなければならず(止むを得ない場合は短縮可)
パブリックコメントを募集しないことは行政手続法39条4項所定の除外事由がない限り許されません。

 ところが前スレの有志が調べたところ、今回の国籍法施行規則改定にあたってはパブリックコメント募集を
行わないことが明らかになったのです。法務省の見解では今回のケースは行政手続法39条4項1号に言う
「公益上、緊急に命令等を定める必要があるため、「意見公募手続」を実施することが困難であるとき」に該当するから
パブリックコメント募集の不実施が許されると言うのですが、到底承服できる見解ではありません。
このままだと、一般国民の意見をなんら聞かないまま、国籍法の実務運用の細部が決定されてしまうのです。

2.対策

 そこでこのパブリックコメント募集不実施を違法として、行政訴訟を起こすことが出来るかが検討されています。
私が検討した限りでは、以下の方法によることが可能かと思われます。
・改定後の国籍法施行規則は、行政手続法39条に違反したものだから、無効であることを確認する訴えを起こす
・本件でのパブリックコメント募集の不実施そのものが、違法であることを確認する訴えを起こす
・パブリックコメントによる意見表明の機会を違法に奪われ精神的苦痛を受けたとして、国家賠償請求訴訟を起こす
いずれの訴訟によるにせよ、パブリックコメント募集不実施の違法性が最大の争点になるでしょう。