「万世一系」は嘘です。神武天皇から「万世一系」がはじまったことになっていますが、神武天皇は実在しません。

神武天皇から数えて現在の天皇は125代目という主張を掲げる人たちがいますが、初めの15人ぐらいは架空の人物で、仁徳天皇あたりから実在ではないかといわれています。
そのあともけっして「一系」ではなく、たとえば30代の敏達天皇の次の用明天皇は蘇我氏の出身です。現在の天皇も古代には朝鮮王朝と姻戚関係であったと発言したことがあります。
「万世一系」というのは、天皇を神格化するために『古事記』や『日本書紀』によって作り上げられた日本の建国神話に基づく作り話です。
この神話によれば、アメノミナカヌシの子孫であるイザナミ、イザナギという2人の神が日本の国をつくり、天皇はその子孫だとされています。
初代の神武天皇から血筋がずっと続いている=「万世一系」だというわけです。
この「万世一系」論に基づいて、明治憲法下の天皇は「現人神(あらひとがみ)」=「人間のかたちをしてあらわれた神」とされたのです。
 参考文献は、本格的な研究書としては奥平康弘『「萬世一系」の研究』(岩波書店、2005年)がありますが、むしろ高校などの日本史の教科書をよく見れば作り話であることがわかります。
なお、少し古い本ですが、浜林正夫・川村俊夫・山田敬男『天皇制とはなにか』(学習の友社、1988年。在庫若干部数あり)の第一部の四「天皇制イデオロギー」で、「現人神」信仰や「万世一系」論について平易に解説しています。