昔、あるところに、羊飼いの少年がいましたとさ。
身寄りのない少年で、友達とよべる人間もいませんでしたとさ。
ある日のこと、丘の向こうに何やら動く影がありました。
少年は、てっきり、オオカミがやってきたと思い込んでしまいました。
「オオカミがきたぞ。」「オオカミがきたぞ。」
少年は、大声で村人に助けを求めました。
必死の叫びに、村人たちが,手に手に武器を持って集まりましたとさ。
「オオカミはどこだ」「羊は無事か」「オマエもけがはなかったか」
「よく,知らせてくれた」
少年は、生まれてはじめて多くの人の注目を浴びました。

しかし、また、すぐに、寂しい毎日がやってきました。
「オオカミさえやってくれば、ぼくのことに注目してくれるのに」
少年は、そう考えました。
そして、
「オオカミがきたぞ」「オオカミがきたぞ」
少年は,叫びました。今度も、村人が集まってきました・
「オオカミがきたぞ」「でっかいオオカミがきたぞ」
少年は、もう、夢中です。こんな愉快なことはありません。
しかし、何度も繰り返すうちに,村人は、・・・
そうです。少年のことを相手にするものはだれもいなくなったのです。
昔話だったら、オオカミは本当にやってくろのですが、現実には、オオカミは滅びていなかったのです。
少年のその後ですか?
あいかわらず誰からも相手されずに、税金も払わず、ネットに書き込みしているそうな。
羊飼いの少年のお話でした。