4面の原稿案です。

鳥取県人権侵害救済条例について、 共同通信社など同県内で活動する新聞、放送など計15社は
10月17日、「報道の自由を制約し、国民の知る権利を侵す危険性が強い。
メディア規制につながりかねない条例を 容認できない」とする声明文を片山善博知事に手渡しました。
声明は「禁止行為の条文の表現は極めてあいまいで、正当な取材・報道活動が人権
侵害行為として規制される恐れがある」と指摘。「報道機関に不当な調査協力義務、
過料処分が科せられる恐れがあり、取材活動を委縮させる」としています。
 
<日本海新聞ー10月13日社説>ー「両刃の剣」を握った県民
鳥取県民は、使えば自分たちも傷つく恐れのある「両刃の剣」を握らされた。
〜片山知事は「提案者である議会が説明責任を果たされるべき」とまるで他人事のようで、
「問題があれば修正していけばいい」と議員ともども楽観的だが、
一般市民が人権問題で係争に巻き込まれた場合、どれだけ本人や家族に深刻な事態を引き起こすか、
想像力は働かないのだろうか。「高みの見物」のような発言は慎むべきだ。
〜何より、被害者にも加害者にもなりうる県民が、同条例について何も知らされていないのが
最大の問題、と言っておこう。

<産経新聞ー10月14日社説>ー擁護法案と同様問題多い
先の通常国会で提出が見送られた政府の人権擁護法案と同様、多くの問題をはらんでいる。
まず、人権侵害の定義があいまいで、対象が広範囲に及んでいることだ。

<中国新聞ー10月14日社説>ー運用への監視不可欠だ
解釈次第で規制の網がどんどん広がる。「公然とひぼう・中傷する」というだけでは、
市民活動も対象になりうる。デモなどの市民の抗議行動も「生活の平穏を害する著しく粗野な行動」
と認定され、処罰の対象になる危険性もある。
〜それを判断するのは独立した機関でなく、知事直属の委員会である。
恣意(しい)的に運用されると、逆に市民の人権侵害につながる怖さもある。

<読売新聞ー10月14日社説>ー拙速な制定に追従すべきでない
(人権救済)委員会の調査権限は絶大だ。条文上は事情聴取や資料提供などの「協力」
を求めることができる、とされているが、拒めば5万円以下の過料が課される。
実質的な処罰規定で、調査に応じることを強制しているに等しい。
その一方で、行政機関の長が、調査への協力は「捜査」や「刑の執行」、
「公共の安全と秩序の維持」などに支障を来す、と判断すれば、協力要請を拒めるという規定もある。
〜私人には罰則を課しながら、公権力機関には“抜け穴”を用意するなど、条例は著しく均衡を欠いている。

<京都新聞ー10月14日社説>ー人権救済条例は人権侵害だ
地元弁護士会はじめ、多くの批判が集中しているもう一つの欠陥は、行政当局の調査拒否権だ。
〜市民が調査委の勧告に従わなければ氏名が公表され、調査を拒否すれば
5万円の過料に処せられるのに比べ、あまりに不公平ではないか。
鳥取県の条例は、行政権力が市民を取り締まる形にさえ見える。
本末転倒であり、成立も提案からわずか8日間と拙速に過ぎた。
成立の背景に何があるのか。県民は事態を理解できず、戸惑っているのではないか。

<毎日新聞ー10月16日社説>ー危うさ隠せぬ「人権」の分権
(人権救済推進)委員会には強い権限が付与された。
その委員5人は知事が任命し、事務局員は県職員が担当する。さながら知事直轄の監視機関である。
知事や県幹部の「人権擁護」はさぞかし盤石になるだろう。

<日本海新聞ー10月16日『政財界耳より話』>ー「人権救済」の美名に錯覚?
条例は、県議会三十八議員のうち三十五議員が共同提案者となった。
中には、採決後に「正直、勉強不足だった。もっと慎重に審議すべきだった」と
打ち明けた議員もいたが、「『人権侵害の救済』という目的だけに飛びつき、条例の内容や
問題点について十分に検討していない議員もいるのではないか」と指摘する声もある。