参考【第6回議事録より-白石忠志・東京大学大学院法学政治学研究科教授の「5つの指摘」】

■「レコード輸入権」が創設されると、国際的な市場分割につながることになり、
 日本の消費者に影響が及ぶのは必至である。再販制度という独占禁止法の極めて
 例外的な規定により、国内市場での小売競争もない。「国内でも競争がない」
 「国外からの競争圧力もない」ということになるので、国内での消費者への
 利益還元からは必ずしも適切ではない。
■欧米の洋楽レコードの取扱いをどうするのか。「レコード輸入権」が創設されて、
 洋楽のみは対象としないことが果たして可能なのか。可能であるとして、国として
 内外無差別という措置をとらなければならないという世界的なルールの中で、
 洋楽のみを対象としないことが国際的に通用するのか、慎重に検討する必要がある。
■「レコード輸入権」を創設する根拠として挙げられている、音楽創作者の創作
 インセンティブの確保については、海外進出で、外国で安く売ろうとしていること
 自体が、その値段でも十分に音楽創作者の創作インセンティブを確保できることを
 明らかにしているものであり、日本の消費者に高く売っているので、外国で安く
 売っても十分に利益があるというなら、日本の消費者を軽く見た意見になることに
 なる。
■外国における海賊版に対抗するため、当該外国では安く売らなければならないという
 意見に対しては、海賊版問題は、当該外国の知的財産法制の充実に待つべきところで
 あり、当該外国の知的財産法制の十分でないことの「ツケ」を日本の消費者が払う
 必要はない。
■消費者利益の還元について様々な措置が説明されているが、消費者への利益還元の
 ための最もよい手段は「競争」によるものであるということだ。「競争」は万能と
 いうわけではないが、競争の可能性は残しておく必要はある。