突然だが、私達は空腹を憶えた。
 何故かは解らない。
 先ほど「奴ら」と戦闘をしたせいだろうか。
 その時に使ったエネルギー分の補給を体が要求してくる。
 ・・・しょうがない。
 立ち上がると服に付いた土や埃を払う。
 私達はエージェントである。
 いつ、どのようなときでもジェントルマンでなければならない。
 そして、皆の作業が終わると、一列となって近くの飲食店へと足を向けた。

 そこは、奴を追いかけている最中見つけた場所だった。
 オレンジ色の看板を掲げている全国チェーン店、吉野家。
 牛丼というなかなかに美味しい食べ物を出しているらしい。
 道を歩いていると、信号に捕まる。
 赤信号は「止まれ」である。
 私達がエージェントであるとバレてはいけないため、一般常識は護らなければならない。
 待っている間に、私達は一列から三列へと変えた。
 横断歩道を渡る際、あまり長い列を作っていると車の進行の妨げになる。
 信号が蒼に変わると同時に、私達は手を挙げて横断歩道を渡った。
 周りにいる人達はやっていないが、これも横断歩道を渡る時の常識だ。
 渡りきると、手を下げてまた一列になって歩き出す。
 吉野家は、信号から少し離れたところにあった。
 早速私達は店の中に入っていく。
 店内には人はまばらで、空席が目立つ状態だ。
 私達は早速開いている席につく。
 が、一階の空席だけでは座りきれず、残った私達は二階へと足を運んだ。
 すかさず、店員が注文を取りに来る。