ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米政府が株式80%を保有している経営再建中の
保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(NYSE:AIG)は週末、注入された公的資金を、
さまざまな銀行への支払いに充てたり、同社を破たん寸前に追い込んだ部門の従業員への
ボーナス支給に充てたりしたことについての相次ぐ批判をかわそうと躍起になっていた。
透明性を高めるよう求められているAIGは15日、同社が受け取った公的資金1733億ドルの
約3分の2を、国内外の銀行や自治体など取引先への支払いに充てたと明らかにした。
AIGがこの情報を開示したのは、昨年405億ドルの損失を出した部門の従業員に約4億5000万ドル
のボーナスを支給する計画を厳しく批判されたことを受けたもの。この部門で大きな損失を出した
ことで同社は破たん寸前に追い込まれ、政府の救済を受けざるを得なくなった。
AIGの取引先リストは、世界の有力金融会社一覧のようだ。130億ドルを受け取った
米ゴールドマン・サックス・グループ(NYSE:GS)など大手米銀のほか、仏ソシエテ・ジェネラル
(13080.FR)やドイツ銀行(NYSE:DB)など欧州の金融大手も含まれる。ソシエテ・ジェネラルと
ドイツ銀はそれぞれ約120億ドルを受け取っている。
こうした資金は、全額ではないがその多くが、AIGが販売したクレジット・デフォルト・スワップ
(CDS)にかかわるもの。CDSは証券投資の保険の役割を果たすもので、AIGが販売したのは
主に米住宅ローンにかかわるものだった。AIGの状況が悪化するにつれ、取引先は損失に
備えた担保の受取額が増えていった。一部は、米連邦準備制度理事会(FRB)が大半を出資する
新会社が昨年後半、保険対象の証券を買い取ることで補てんされた。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCRT3276.html