北「昼間にでもバンデル星人さんからもらいましたが。小2か小学校の30年ほど前の10月でした。親に頼まれ夜20時
  ごろにお宮さんの境内にある村の会所に区費を納めに行きました。子供ながら大手を振って夜歩きができるので
  機嫌よく出かけました。自宅から1分ほどで行ける会所は外まで話し声や笑い声が聞こえておりました。田舎のこと
  なので区費の徴収にかこつけて近所の大人たちがくるまでで座って座っております。賑わう会所に入ると本家のおじ
  や近所の人たちに、ご苦労さんやな、お菓子食べて行きぃなとかまってもらい10分ほど大人の輪に入ったあとおじに
  もらった缶ジュースを片手に帰ろうと外へ出ました。するとお宮さんの周り大きな溝のあたりがボヤっと明るいのに気が
  つきました。そこは街灯のないところで明るいはずはないのですが、当時は蛍なども珍しくなんともなかったのでたぶん
  蛍でも飛んでいるんだろうと思い・・・しかし今は10月であることをふっと思い出し軽い気持ちで確認だけしようと確かめ
  に行きました。私が見たものはプカプカ水面に浮かぶおっさんの頭でした。顔全体が青白く鈍く光るその頭は糸で
  引っ張られたようにスーと動きお宮さんと反対の岸にヒョイと跳ね上がって転がりながら私のほうに向きました。まぁ
  俗に言う生首だったんですが内藤珍をミイラにしたくらいのゲソゲソな頬。口の端は吊り上り凶悪な笑い顔に見えまし
  た。顔のパーツはよく見えるのに目があるのかないのかよくわかりませんでした。それなのに明らかな視線を感じまし
  た。続いて体のほうが生首のほうへよじ登って胡坐をかきました。裸の上半身に胴をあてただけの鎧。下半身は
  ケツネ(?)が丸出しだったと思います。落ち武者よりさらに情けない格好でした。また離れた会所からの声は聞こえる
  のに目の前のものは音のない世界にいるようでした。水音立てずに岸に上がり、水面も波一つ立たなかったのです。
  やがて生首がフニャフニャと動き何かいう声がはっきり聞こえました。オレの首を返せ。そう繰り返しました。なぜか
  口の動きと声がつろくしておりませんでした。ウルトラマンセブン第26話で首だけになっても飛んでセブン噛み付いた
  ガブラを思い出し、怖くなって私は走って帰りました。