【こういうの】創作文章発表【なくね?】
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0066名無しさん@お腹いっぱい。
2008/09/06(土) 15:02:27ID:LCFd7OiPよろしかったら、感想、批評など、よろしくお願いします。
分厚く、薄暗い雲が、寂れ果てた一本道を、浅い闇で覆い尽くす。
既に日の出の時刻は過ぎ、太陽は朝の陽射しを地上に注いでいる。
だが、街の郊外から遠く離れたこの道には、明るい陽射しは全く差し込まれない。
大型車両がやっと通れる程度の幅しかない一本道を挟んで、みすぼらしい人家が、左右、
あちこちに散らばるような形でポツンと建っている。その数は10軒あるかないかの程度だ。
朝の訪れ、朝の陽射しを拒まれたこの道を、コート姿の一人の人間が黙々と歩く。
フードが頭をすっぽりと覆い、どのような表情をしているのか、そもそも、どんな顔を
しているのか、はっきりと確かめる事ができない。
両腕には、30cm近くはある“何か”が、薄手の毛布に包まれた状態で抱えられている。
薄暗い空の下、身を切るような寒風が吹きすさぶ中、その者は顔をうつむかせたまま、
自分の他には、人も車の類も全く行き交わない道を、黙々と、重い足取りで歩き続ける。
表情を完全に包み隠してはいるが、見るからに疲れ果てた様子で歩き続ける事30分弱、
その者の足がピタッと止まった。
目の前には、有刺鉄線が張り巡らされた巨大な鉄の壁がそびえ立っている。
鉄壁特有の冷たさ、威圧感が、手荷物を抱えたまま立ち尽くす一人の人間を見下ろす。
鉄壁と有刺鉄線が、真上から見下ろし、冷たく睨み付ける。
その眼差しの先には、一人の人間と、その真正面に積まれている幾つかのゴミがある。
そこは指定のゴミ捨て場ではないが、無造作に投げ込まれたごみ袋や粗大ごみが平然と
置かれている。
それに加えて、全身に殴られ、蹴られた痕が色濃く刻まれている子犬の死骸や、刃物で
深々と刺された痕が100近くもある子猫の死骸が、これらのゴミの群れに紛れている。
弥が上にも嫌悪感をもよおすゴミの塊に、毛布に包まれた手荷物が載せられる。
手荷物をゴミ捨て場に捨てると、その者はうつむいたまま横を向き、去って行く。
捨てられた荷物を振り返る事無く、その者は先程と同じく、黙々と、重い足取りで歩く。
すると、
「……ぁぁ〜……ぁぁ〜……」
鉄壁の下にある違法のゴミ捨て場から、か細い泣き声が聞こえてきた。
完全な静寂の中で、微細ながらもやっと聞こえる程度の泣き声である。
「……ぁぁ〜……ぁぁ〜……」
再度、ゴミ捨て場から泣き声が聞こえてきた。見てみると、毛布に包まれた手荷物から、
泣き声が途切れ途切れに漏れてくるのが認められた。
毛布に隙間がある。そこから中を覗いて見る。
すると、その隙間からは、痛ましい無数のあざで埋め尽くされた、小さな赤ん坊の顔が
見えてきた。肌は青ざめ、唇も全く動いていない。
「……ぁぁ〜……ぁぁ〜……」
生死もわからない状態の中、三度、か細い泣き声が赤ん坊の口から漏れてきた。
助けを求めているかのように泣き続けるが、赤ん坊の目からは涙が流れてこない。
散々に痛めつけられたのだろう。涙を流す力さえ無いようだ。
その挙句、その辺のゴミと同様に、違法のゴミ捨て場に捨てられたのだ。
しかし、真上から冷たく見下ろす有刺鉄線と巨大な鉄壁以外には何もないこの場所で、
一人の赤ん坊を取り巻く忌々しき出来事に、目を向け、耳を傾ける者などいるはずが無い。
ただ、身を切る寒風だけが、周りのゴミ諸共、毛布に包まれた赤ん坊を横殴りにする。
「……ぁぁ〜……ぁぁ〜……」
孤独の冬空の下、赤ん坊は尚も泣き続ける。
誰一人、全く気づく者も無く、まして、救いの手を差し伸べる者などいないのに……
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