嗚咽 その6
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04/07/29 04:21ID:eCoBJSET「病院に行って検査をしたら、家族を呼べって言われたから来て。両親には内緒で」
嫌な話だということは簡単に想像できた。
妹は胃癌だった。初期の段階だが、すぐ手術をしなければいけないということだった。
「お父さんとお母さんに言ったら、びっくりすると思うからお兄ちゃんを呼んだ。迷惑かけてゴメン」
親父は二ヶ月前に胃潰瘍を患っている。
お袋は神経が細かいので、こういった話には耐えられないだろう。
だから妹は俺を呼んだのだと言う。
妹は少し優秀なプログラマーで、手術の費用などは心配するなと笑っていた。
高額医療保障制度もあるし、大丈夫。
でも、お父さんとお母さんにだけは内緒にしておいて。
手術が終わったら言うから。
迷惑かけてゴメンね。
迷惑かけてゴメンね、と、何回も繰り返す妹に、俺は「迷惑じゃないよ」としか言えなかった。
医者に話を聞いたら、本当は初期じゃなかった。
だいぶ進行していて既に末期だという。
手術中に死ぬかもしれないとも言われた。
手術しても助からないかもしれないとも言われた。
俺は両親に言ってしまった。
親父は絶句して、お袋は精神的なショックで一時的に左耳が聴こえなくなった。
でも、二人ともすぐに入院した妹に会いに行った。
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