ストラングで線形代数を勉強している/した工学系のひとへ

ストラングP211の補足説明に相当する内容が今月の、理系への数学、のP22
“数学のプロムナード第17回”に懇切丁寧に説明されてたから
図書館でコピーしとくといい(30円)

ここの説明ではストラングに珍しく自身のイメージを伝えるのに
説明も無いまま「代数的重複度」,「幾何的重複度」なる語を導入し
かえって講義に「もたつき」と「切れの無さ」を現してしまっている
(そのため、当方はいつまでも印象に残っていた)

今回、理系への数学、“数学のプロムナード”において
執筆者である大竹真一氏/京都府立大学(非常勤)は
K君なる大学生に猿芝居を演じさせつつ
零空間の次元(ストラングではP78)を用いて
これを分かりやすく解説することに成功している

なお、ストラングを読むと線形空間の理解が深まるため
関数論の専門書が読みやすくなるという御利益がある
また、工学書としては初版が昭和53年と古いにもかかわらず
最近のスーパーコンピューティングの解説論文と編集スタイルがシームレスなため
大規模計算の世界を理解しやすいという恩恵まで受けられる

しかし、工学的な話題,チップスにあふれた書物であり
全体にわたって計算量が意識され、計算という具体的土台の上に
理論を展開,構成しがちなため、純粋数学書と比較してどうしても編集に偏りがでてしまう

そして何より、数学の勉強を述語論理の記号列から本質を汲み取る訓練と捉えるなら
この数学書は数学語を用いた簡潔性を一顧だにしておらず
言葉の偏重を躊躇していない
ために理学部学生向けの訓練書としてはマッタクお勧めできない