数学は人間の理性を徹底的に掘り下げたものだ。
よって、ある人にとって数学とは何かという問いはその人の内部に広がる理性的世界とは
どのようなものかという問いでもある。
強壮な思考力を持ち、卓越した直観に恵まれた人々にとって数学は豊穣で流麗な海にも
比せられる論理の体系である。一方、逆に思考よりも惰性を好み、直観というより決め付けに
走りがちな人々にとっては数学は乾ききった、定理や公式という結節点だけが少しだけ見える、
やせた古生物が残した骨のようなものだろう。