高等教育には、もともとから箔をつけるという要素があった。
旧制高校の教養主義がそう。学生同士、見栄を貼りあって、
難しい本を読んでいた。難しいことそのものに意味があった。(彼らには)
いまとなってはすこし馬鹿らしくも感じるが。

初等幾何学は、近世までは、高等教育(人口の数パーセント
未満が受けているという意味で)でしか、教えていなかった。
そのころは、ユークリッド原論が教科書だった。
古典が箔をつけるという意味もあったからだ。

それが時代とともに、初等幾何学を学ぶ層が増えると、
箔をつけることより、その内容そのものに重点がおかれ、
いくつも教科書が書かれるようになった。さらに
母国語でも書かれるようになった。

これこそが学問の進化。