多様体上の微分形式の積分を定義するため、微分形式の引き戻し(pull-back)について述べる。

M と N を多様体とし、ψ: M → N を可微分写像とする(過去スレ014の659)。
ω を N 上の C^r 級(0 ≦ r ≦ ∞)の k 次の微分形式とする(過去スレ014の731)。

p ∈ M と (v_1, ..., v_k) ∈ (T_p(M))^k に対して、
ψ^*(ω)_p(v_1, ..., v_k) = ω_ψ(p)(dψ_p(v_1), ..., dψ_p(v_k))
とおく。
ψ^*(ω)_p は T_p(M) 上の k 次の交代的な多重線型形式である。

(x_1, ..., x_n) と (y_1, ..., y_m) をそれぞれ p と ψ(p) の近傍 U, V における
局所座標系とする。

dψ(∂/∂x_i) = Σ(∂y_j/∂x_i)∂/∂y_j
であるから、

q ∈ V のとき、
ψ^*(ω)_q(∂/∂x_i_1, ..., ∂/∂x_i_k)
= Σ(∂y_j_1/∂x_i_1)...(∂y_j_k/∂x_i_k)ω_ψ(q)(∂/∂y_j_1, ..., ∂/∂y_j_k)

これから、ψ^*(ω) は M 上のC^r 級の k 次の微分形式であることがわかる。

ψ^*(ω) を ω の ψ による引き戻し(pull-back)と呼ぶ。