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代数的整数論 015

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0001132人目の素数さん2009/10/13(火) 07:14:18
代数的整数論 015
Kummer ◆g2BU0D6YN2 が代数的整数論を語るスレです。

現在は代数的整数論の準備をしています。
代数的整数論のみに興味ある方はこのスレは必要になった段階で
参照することをお勧めします。
ただし、このスレが終了すると見れなくなる恐れがあるので、
適時チェックして内容をセーブしたほうが良いでしょう。

内容についてわからないことがあったら遠慮なく
質問してください。
その他、内容についてのご意見は歓迎します。
例えば、誤りの指摘、証明の改良など。
なお、このスレの主題に直接関係のないコメントについては
原則としてレスはしません(たとえそれが励ましの言葉であっても)。

過去スレ
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1126510231
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1132643310
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/l50
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/l50
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1189335756/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1195560105/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1208646742/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1212143770/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1246160488/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1247494646/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1251012346/
0153Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/26(月) 11:05:27
>>152の続き

過去スレ011の823と過去スレ011の829より、
f が(μ|ψ(U))可積分であるためには、f(ψ(x)) がν可積分
であることが必要十分である。

このとき、過去スレ011の823より、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) dν(x) である。

過去スレ011の598と過去スレ011の680より、f(ψ(x)) がν可積分であるためには、
f(ψ(x))|det(J_ψ(x))| は(μ|U)可積分であることが必要十分である。

このとき、過去スレ011の598より、
∫[U] f(ψ(x)) dν(x) = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx となる。

以上から、本命題の主張が得られる。
証明終
0154132人目の素数さん2009/10/26(月) 13:36:40
613 名前: 132人目の素数さん 投稿日: 2009/10/26(月) 00:37:48
あの…コピペ荒らしがキモクてすぐスレが流れてしまうのでもう一度書きますが、
(1) z^2 = -195/7 + 4i
(2) z^3 = -Sqrt[11] + 58i
を満たすzの解き方をおしえてください。
数学が得意だと自称している数ヲタの話しだと因数定理で解くそうなんですがわかりません。
本来因数定理は根(因数)を求める方法じゃないですよね。
実は(1)は連立方程式にして解けました。
ただの数式操作なので概念とか理論的なところはあまりないし自称数ヲタさんたちなら朝飯前ですよね。
特に(2)の解法をよろしくお願いします。
0155132人目の素数さん2009/10/26(月) 17:45:37
>>151
こんなバカなことをするプロがいるわけがない。
0156Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/27(火) 03:19:55
命題(Sardの定理の特別な場合)
R を実数体とする。
n を任意の整数 ≧ 1 とする。
U ⊂ R^n を空でない開集合とし、f: U → R^n をC^1級とする。
S = {x ∈ U; det(df(x)) = 0} とおく。

このとき f(S) はLebesgue零集合である。

証明
n = 1 のときはほとんど自明であるから n ≧ 2 と仮定する。

R^n の点 x = (x_1, .., x_n) に対してそのノルムを
|x| = sup{|x_i|, i = 1, ..., n} と書く。

U は U に含まれる n 次元閉立方体の可算個の合併になる。
よって、U に含まれる任意の n 次元閉立方体 C に対して
f(C ∩ S) がLebesgue零集合であることを証明すればよい。

C の辺の長さを r とする。
各 x ∈ C に対して、ψ は x で微分可能であるから
任意の ε > 0 に対して δ_x > 0 があり、
y ∈ U, |y - x| < δ_x なら |f(y) - f(x) - df(x)(y - x)| < ε|y - x|
となる。
C はコンパクトであるから、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
x ∈ C, y ∈ U, |y - x| < δ なら
|f(y) - f(x) - df(x)(y - x)| < ε|y - x|
となる。

(続く)
0157Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/27(火) 03:21:02
>>156の続き

δ を十分小さくとって、0 < δ < r と仮定してよい。
k - 1 ≦ r/δ < k となる整数 k ≧ 1 をとる。
r/k < δ ≦ r/(k - 1)

C の各辺を k 等分して C を k^n 個の小立方体 C_i (1 ≦ i ≦ k^n) に分割する。
C_i の辺の長さは r/k であり、その体積は (r/k)^n である。

x, y ∈ C_i のとき |x - y| < δ である。
C_i ∩ S ≠ φ となる各 C_i に対して x_i ∈ C_i ∩ S を選ぶ。

det(df(x_i)) = 0 であるから dim df(x_i)(R^n) ≦ n - 1 である。
よって、df(x_i)(R^n) ⊂ H_i となる R^n の部分空間 H_i で dim H_i = n - 1 と
なるものがある。
M = sup{|df(x)|; x ∈ C} とおく。
ここで、|df(x)| = sup{|df(x)(y)|; |y| ≦ 1, y ∈ R^n} である。
f は C^1級だから |df(x)| は x の連続関数であり、
C はコンパクトだから M < +∞ である。

x ∈ C_i のとき y = f(x_i) + df(x_i)(x - x_i) とおくと、
y ∈ f(x_i) + H_i であり、
|y - f(x_i)| = |df(x_i)(x - x_i)| ≦ M|x - x_i| < Mδ
よって、y は アフィン超平面 f(x_i) + H_i に含まれ、f(x_i) を中心とする
体積 (2Mδ)^(n-1) の(n-1)次元立方体 D_i に含まれる。

x ∈ C_i のとき |f(x) - y| < ε|x - x_i| < εδ
よって、f(C_i) は n 次元直方体 G_i = (D_i)×[-εδ, εδ] に含まれる。
この直方体の体積は εM^(n-1)(2δ)^n である。

(続く)
0158Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/27(火) 03:21:48
>>157の続き

f(C ∩ S) = f(∪(C_i ∩ S)) ⊂ ∪f(C_i ∩ S) ⊂ ∪G_i

よって、
μ(f(C ∩ S)) ≦ μ(∪G_i) ≦ ε(k^n)M^(n-1)(2δ)^n
= ε2^nM^(n-1)(kδ)^n ≦ ε2^nM^(n-1)(2r)^n

ここで、μ はLebesgue測度である。

2^nM^(n-1)(2r)^n は ε に無関係な定数であり、ε はいくらでも小さくとれるから
μ(f(C ∩ S)) = 0 である。
証明終
0159Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/27(火) 03:29:27
Sardの定理は U ⊂ R^m から R^n へのC^k級写像 f で、
S = {x ∈ U; df(x) が全射でない} とおいたとき、
f(S) がLebesgue零集合であることを主張するものである。
ここで、k > sup(0, m ? n) である。
m > n のときの証明が一番難しい。
0160Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/27(火) 03:30:28
>>159
>ここで、k > sup(0, m ? n) である。

ここで、k > sup(0, m - n) である。
0161Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/27(火) 12:06:28
命題(Lebesgue積分の変数変換公式: det(J_ψ(p)) = 0 を許す場合)
R を実数体とする。
n を任意の整数 ≧ 1 とする。
U ⊂ R^n を空でない開集合とし、ψ: U → R^n をC^1級の単射とする。
S = {x ∈ U; det(dψ(x)) = 0} とおく。

f : ψ(U) → [-∞, +∞] を関数とする。
f がLebesgue可積分であるためには、f(ψ(x))|det(J_ψ(x))| が U で
Lebesgue可積分であることが必要十分である。
このとき、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
となる。

証明
V = U - S とおく。
x → det(dψ(x)) は連続であるから S は U の閉集合である。
よって、V は U の開集合であるから R^n の開集合でもある。

>>152より
f が ψ(V) でLebesgue可積分であるためには、f(ψ(x))|det(J_ψ(x))| が V で
Lebesgue可積分であることが必要十分であり、
このとき、
∫[ψ(V)] f(y) dy = ∫[V] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
となる。

(続く)
0162Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/27(火) 12:08:42
(続く)

>>161の続き

ψ は単射であるから
ψ(U) = ψ(V) ∪ ψ(S) (直和) である。

よって、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[ψ(V)] f(y) dy + ∫[ψ(S)] f(y) dy
である。

>>156より、ψ(S) はLebesgue零集合であるから、
∫[ψ(S)] f(y) dy = 0 であり、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[ψ(V)] f(y) dy

他方、
∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
= ∫[V] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx + ∫[S] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx

S 上で det(J_ψ(x)) = 0 であるから
∫[S] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx = 0 となり、

∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx = ∫[V] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx

よって、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
証明終
0163Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/27(火) 19:57:51
Lebesgue積分の変数変換公式(>>152)の応用として
∫[0 +∞) exp(-x^2) dx を計算しよう。

x ≧ 0 のとき exp(x^2) ≧ 1 + x^2 であるから
exp(-x^2) ≦ 1/(1 + x^2)
よって、
∫[0 +∞) exp(-x^2) dx ≦ ∫[0 +∞) 1/(1 + x^2) dx = π/2 < +∞

よって、Fubiniの定理(過去スレ011の749)より、
∬(0 +∞)×(0 +∞) exp(-x^2 - y^2) dxdy
= ∫(0 +∞) exp(-x^2) dx ∫(0 +∞) exp(-x^2) dy < +∞
である。

Φ(r, θ) = (r cos(θ), r sin(θ)) とおく。

Φ は (0, +∞)×(0, π/2) から (0 +∞)×(0 +∞) への全単射である。
det(J_Φ) = r であるから
Lebesgue積分の変数変換公式(>>152)より、
∬(0 +∞)×(0 +∞) exp(-x^2 - y^2) dxdy
= ∬(0, +∞)×(0, π/2) exp(-r^2)r drdθ

再び、Fubiniの定理(過去スレ011の749)より、
∬(0, +∞)×(0, π/2) exp(-r^2)r drdθ
= ∫(0, π/2) dθ∫(0, +∞) exp(-r^2)r dr
= (π/2)∫(0, +∞) exp(-r^2)r dr

(続く)
0164Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/27(火) 19:58:34
>>163の続き

一方、exp(-r^2)r の原始関数は -(1/2)exp(-r^2) だから
∫(0, +∞) exp(-r^2)r dr = 1/2

よって、
∬(0, +∞)×(0, π/2) exp(-r^2)r drdθ = π/4

よって、
∫(0 +∞) exp(-x^2) dx ∫(0 +∞) exp(-x^2) dy = π/4

よって、
∫[0 +∞) exp(-x^2) dx = ∫(0 +∞) exp(-x^2) dx = (√π)/2
0165Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/27(火) 22:49:05
多様体上の微分形式の積分を定義するため、微分形式の引き戻し(pull-back)について述べる。

M と N を多様体とし、ψ: M → N を可微分写像とする(過去スレ014の659)。
ω を N 上の C^r 級(0 ≦ r ≦ ∞)の k 次の微分形式とする(過去スレ014の731)。

p ∈ M と (v_1, ..., v_k) ∈ (T_p(M))^k に対して、
ψ^*(ω)_p(v_1, ..., v_k) = ω_ψ(p)(dψ_p(v_1), ..., dψ_p(v_k))
とおく。
ψ^*(ω)_p は T_p(M) 上の k 次の交代的な多重線型形式である。

(x_1, ..., x_n) と (y_1, ..., y_m) をそれぞれ p と ψ(p) の近傍 U, V における
局所座標系とする。

dψ(∂/∂x_i) = Σ(∂y_j/∂x_i)∂/∂y_j
であるから、

q ∈ V のとき、
ψ^*(ω)_q(∂/∂x_i_1, ..., ∂/∂x_i_k)
= Σ(∂y_j_1/∂x_i_1)...(∂y_j_k/∂x_i_k)ω_ψ(q)(∂/∂y_j_1, ..., ∂/∂y_j_k)

これから、ψ^*(ω) は M 上のC^r 級の k 次の微分形式であることがわかる。

ψ^*(ω) を ω の ψ による引き戻し(pull-back)と呼ぶ。
0166Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/27(火) 23:17:58
命題
M と N を多様体とし、ψ: M → N を可微分写像とする(過去スレ014の659)。
ω と θ をそれぞれ N 上の C^r 級(0 ≦ r ≦ ∞)の k 次と l 次の微分形式とする。
g: N → R を可微分関数とする。

このとき、次が成り立つ。

1) ψ^*(ωΛθ) = ψ^*(ω)Λψ^*(θ)

2) ψ^*(gω) = (gψ)ψ^*(ω)

証明
1) は過去スレ014の713から得られる。

2) は定義から明らかであるが、g を 0 次の微分形式とみて 1) の特殊な場合と
見なすこともできる。
証明終
0167Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/28(水) 08:13:22
>>165の補足

g: N → R をC^r 級(0 ≦ r ≦ ∞)関数とする。
ψ^*(g) = gψ と書いて ψ^*(g) を g の ψ による引き戻し(pull-back)と呼ぶ。
0168Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/28(水) 08:16:42
M と N を多様体とし、ψ: M → N を可微分写像とする。
p ∈ M に対して、(x_1, ..., x_n) と (y_1, ..., y_m) をそれぞれ p と ψ(p) の
近傍 U, V における局所座標系とする。

ψ^*(y_k) = (y_k)ψ = ψ_k, k = 1, ..., n とおく。

ψ^*(dy_i)(∂/∂x_j) = dy_i(dψ(∂/∂x_j)) = dy_i(Σ(∂ψ_k/∂x_j)∂/∂y_k)
= ∂ψ_i/∂x_j

よって、
ψ^*(dy_i) = Σ(∂ψ_i/∂x_j)dx_j
0169Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/28(水) 08:21:23
M と N を多様体とし、ψ: M → N を可微分写像とする。
n = dim M = dim N とする。
p ∈ M に対して、(x_1, ..., x_n) と (y_1, ..., y_n) をそれぞれ p と ψ(p) の
近傍 U, V における局所座標系とする。

ω を N 上の C^r 級(0 ≦ r ≦ ∞)の n 次の微分形式とする。

V 上で ω = h(y_1, ..., y_n)dy_1Λ...Λdy_n とする。

>>166, >>168より、
ψ^*(ω) = (hψ)ψ^*(dy_1Λ...Λdy_n) = (hψ)ψ^*(dy_1)Λ...Λψ^*(dy_n)
= (hψ)Σ(∂ψ_1/∂x_j_1)...(∂ψ_n/∂x_j_n)dx_j_1Λ...Λdx_j_n
= (hψ)det(J_ψ)dx_1Λ...Λdx_n

ここで、J_ψ は ψ の Jacobi 行列(>>115)である。
0170Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/28(水) 09:01:18
定義
M と N を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とし、
ψ: M → N を可微分写像とする。

ω と θ をそれぞれ M と N の体積要素(過去スレ014の734)とする。
ψ^*(θ) (>>165)が M の各点で 0 にならないとする。
ψ^*(θ) = fω となる関数 f: M → R がある。

f > 0 のとき ψ を向きを保存する写像と呼ぶ。
f < 0 のとき ψ を向きを逆にする写像と呼ぶ。

これは、体積要素 ω と θ の選び方によらない。
0171Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/28(水) 10:25:12
定義
M と N を多様体とする。
可微分写像 ψ: M → N が全単射で ψ^(-1) が可微分であるとき
ψ を微分同相写像または略して微分同相という。

このとき、M と N は微分同相であると言う。
0172Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/28(水) 10:30:13
>>171

M と N が微分同相であるとき、M と N は位相空間として同相である。
このとき位相幾何におけるホモロジー論より dim M = dim N となる。
0173Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/28(水) 10:34:12
定義
M と N を多様体とし、ψ: M → N を可微分写像とする。
各点 p ∈ M に対して p の開近傍 U があり ψ|U: U → ψ(U) が微分同相(>>171)と
なるとき ψ を局所微分同相写像または略して局所微分同相という。
0174Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/28(水) 10:43:58
命題
M と N を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とし、
ψ: M → N を可微分写像とする。
θ を N の体積要素(過去スレ014の734)とする。

ψ^*(θ) が M の体積要素であるためには ψ が局所微分同相(>>173)と
なることが必要十分である。

証明
p ∈ M に対して、(x_1, ..., x_n) と (y_1, ..., y_n) をそれぞれ p と ψ(p) の
近傍 U, V における局所座標系とする。

V 上で θ = g(y)dy_1Λ...Λdy_n とする。

>>169より、ψ^*(θ) = (gψ)det(J_ψ)dx_1Λ...Λdx_n となる。

ψ が局所微分同相であれば、det(J_ψ)(p) ≠ 0 であるから
ψ^*(θ)_p ≠ 0 である。

逆に ψ^*(θ)_p ≠ 0 であれば、det(J_ψ)(p) ≠ 0 となる。
逆写像定理(>>67)より ψ は局所微分同相である。
証明終
0175Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/28(水) 10:52:22
定義
M を多様体とし、ω を M 上の微分形式とする。
集合 {p ∈ M; ω_p ≠ 0} の閉包を ω の台と呼び、
Supp(ω) と書く。
0176Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/28(水) 10:56:10
定義
U ⊂ R^n を空でない開集合とし、ω を U 上の n 次の微分形式で
コンパクトな台(>>175)をもつとする。
(x_1, ..., x_n) を R^n の標準座標とする。
ω = f(x)dx_1Λ...Λdx_n としたとき、ω の積分 ∫[U] ω を

∫[U] ω = ∫[U] f(x) dx_1...dx_n

により定義する。
ここで、右辺は f(x) のLebesgue積分である。
0177Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/10/28(水) 11:15:19
>>174は体積要素の定義(過去スレ014の734)をそのまま使うと間違いなので
次のように修正する。

命題
M と N を向き付け可能な n 次元多様体(過去スレ014の734)とし、
ψ: M → N を可微分写像とする。
θ を N 上の n 次微分形式で N の各点 p で θ_p ≠ 0 となるものとする。
M の各点 p で ψ^*(θ)_p ≠ 0 となるためには ψ が局所微分同相(>>173)と
なることが必要十分である。

証明は>>174と同じである。
0178132人目の素数さん2009/10/28(水) 18:41:15
世界初。整数列を関数に変換するプログラム
http://demo.logicalsoft.jp/function/
0179132人目の素数さん2009/10/28(水) 20:30:55
Supp(ω)
Supp(・ω・)
Supe(`・ω・´)
Super(`・ω・´) シャキーン
0180132人目の素数さん2009/10/29(木) 00:25:54
Kummerが望月新一先生とかだったらDoしよう
0181132人目の素数さん2009/10/29(木) 02:45:29
>>180
望月先生が好きなAV女優を調べればなにかわかるかも
0182Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/03(火) 15:14:56
>>172
ホモロジー論を持ち出すまでもなく、接空間を考えれば dim M = dim N は
ほとんど自明であった。
0183Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/03(火) 15:17:39
命題(合成写像の微分)
M と N と S を多様体とし、ψ: M → N, φ: N → S を可微分写像とする。

M の任意の点 p で
d(φψ)_p = (d(φ)_ψ(p))(dψ_p)
となる。

証明
v を p における M の接ベクトルとする。
f: U → R を φψ(p) の開近傍 U ⊂ S で定義されたC^∞級の関数とする。

d(φ)_ψ(p)(dψ_p(v))(f) = dψ_p(v)(fφ) = v(fφψ)
他方、
d(φψ)_p(v)(f) = v(fφψ)

よって、
d(φψ)_p(v) = d(φ)_ψ(p)(dψ_p(v))

よって、
d(φψ)_p = (d(φ)_ψ(p))(dψ_p)
証明終
0184Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/03(火) 15:32:45
命題
M と N を微分同相な多様体とし、ψ: M → N を微分同相写像とする。

このとき、M の任意の点 p で dψ_p: T_p(M) → T_ψ(p)(N) は同型写像である。
特に、dim M = dim N である。

証明
φ: N → M を ψ の逆写像とする。
φψ = 1, ψφ = 1 とする。

>>183より、
d(φψ)_p = (d(φ)_ψ(p))(dψ_p) = 1
d(ψφ)_ψ(p) = (d(ψ)_p)(dφ_ψ(p)) = 1

よって、d(φ)_ψ(p) と dψ_p は互いに他の逆写像である。
証明終
0185Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/03(火) 15:34:01
命題(R^n における微分形式の積分の変数変換公式)
U, V ⊂ R^n を空でない開集合とし ψ: U → V を向きを保存する(>>170)
微分同相(>>171)とする。
ω を V 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもつとする。

このとき、ψ^*(ω) もコンパクトな台をもち、

∫[V] ω = ∫[U] ψ^*(ω)

となる。

証明
V 上で ω = f(x)dx_1Λ...Λdx_n とする。
>>169より、U 上で ψ^*(ω) = (fψ)det(J_ψ)dx_1Λ...Λdx_n となる。

ψ は微分同相であるから U の各点 p で det(J_ψ(p)) ≠ 0 である。
よって、Supp(ψ^*(ω)) = Supp(fψ) = ψ^(-1)(Supp(f)) はコンパクトである。

>>176より、
∫[U] ψ^*(ω) = ∫[U] (fψ)det(J_ψ) dx_1...dx_n

一方、積分の変数変換公式(>>141)より
∫[ψ(U)] f(x) dx = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
となる。

一方、>>169より、U 上で ψ^*(dx_1Λ...Λdx_n) = det(J_ψ)dx_1Λ...Λdx_n
であり、ψ は向きを保存するから U 上で det(J_ψ) > 0 である。
よって、
∫[ψ(U)] f(x) dx = ∫[U] f(ψ(x)) det(J_ψ(x)) dx
即ち、
∫[V] ω = ∫[U] ψ^*(ω)
証明終
0186Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/03(火) 15:35:50
命題
M と N と S を多様体とし、ψ: M → N, φ: N → S を可微分写像とする。
ω を N 上の C^r 級(0 ≦ r ≦ ∞)の k 次の微分形式とする。

このとき、

(φψ)^*(ω) = ψ^*((φ^*(ω)))

となる。

証明
p ∈ M に対して q = ψ(p), r = φ(q) とおく。
合成写像の微分公式(>>183)より、v_1, ..., v_k ∈ T_p(M) に対して

ψ^*((φ^*(ω)))_p(v_1, ..., v_k)
= φ^*(ω)_q(dψ(v_1), ..., dψ(v_k))
= ω_r(dφd(ψ(v_1)), ..., dφ(dψ(v_k)))
= ω_r(d(φψ)(v_1), ..., d(φψ)(v_1))
= (φψ)^*(ω)_p(v_1, ..., v_k)

よって、
ψ^*((φ^*(ω)))_p = (φψ)^*(ω)_p
よって、
(φψ)^*(ω) = ψ^*((φ^*(ω)))
証明終
0187Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/03(火) 15:37:24
定義
M を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
(U, ψ) を M の正の局所座標系(過去スレ014の736)とする。
ω を M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもち、
Supp(ω) ⊂ U とする。

ω の (U, ψ) における積分 ∫[ψ] ω を
∫[ψ] ω = ∫[ψ(U)] (ψ^(-1))^*(ω|U) (>>176)で定義する。
0188Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/03(火) 15:40:41
命題
M を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
(U, ψ) と (V, φ) を M の二つの正の局所座標(過去スレ014の736)とする。
ω を M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもち、
Supp(ω) ⊂ U ∩ V とする。

このとき、
∫[ψ] ω = ∫[φ] ω となる。

証明
φψ^(-1): ψ(U ∩ V) → φ(U ∩ V) は微分同相であることに注意する。

∫[φ] ω = ∫[φ(U)] (φ^(-1))^*(ω|U)
= ∫[φ(U ∩ V)] (φ^(-1))^*(ω|U ∩ V)
= ∫[ψ(U ∩ V)] (φψ^(-1))^*(φ^(-1))^*(ω|U ∩ V) ← >>185
= ∫[ψ(U ∩ V)] (ψ^(-1))^*φ^*(φ^(-1))^*(ω|U ∩ V) ← >>186
= ∫[ψ(U ∩ V)] (ψ^(-1))^*(ω|U ∩ V)
= ∫[ψ(U)] (ψ^(-1))^*(ω|U)
= ∫[ψ] ω
証明終
0189Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/03(火) 15:42:04
定義
M を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
(U, ψ) を M の正の局所座標(過去スレ014の736)とする。
ω を M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもち、
Supp(ω) ⊂ U とする。

>>188 より ∫[ψ] ω は Supp(ω) ⊂ U となる正の局所座標 (U, ψ) のとり方によらない。
よって、∫[ψ] ω を ∫[M] ω または ∫ω と書く。
0190Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/05(木) 08:50:33
定義
M をパラコンパクト(過去スレ014の757)な向き付けられた
n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
ω を M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもつとする。
(U_α, ψ_α), α ∈ A を M の正の座標近傍系で局所有限(過去スレ014の766)とする。
さらに各 U_α の閉包はコンパクトとする。
過去スレ014の770より、(U_α), α ∈ A に従属する1の分割(過去スレ014の761)
P = ((f_α), α ∈ A) が存在する。

ω_α = (f_α)ω とおく。
Supp(ω_α) はコンパクトであり、U_α に含まれる。
よって、>>189より ∫ ω_α が意味をもつ。

K = Supp(ω) はコンパクトであるから K ∩ U_α ≠ φ となる α ∈ A の個数は有限である。
よって、Σ∫ ω_α は有限和である。

そこで、ω の P に関する積分 ∫[P] ωを ∫[P] ω = Σ∫ ω_α と定義する。
0191Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/05(木) 09:14:57
命題
M をパラコンパクト(過去スレ014の757)な向き付けられた
n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
(U_α, ψ_α), α ∈ A を M の正の座標近傍系で局所有限(過去スレ014の766)とする。
さらに各 U_α の閉包はコンパクトとする。
P = ((f_α), α ∈ A) を (U_α), α ∈ A に従属する1の分割(過去スレ014の761)
とする。

(V_β, φ_β), β ∈ B を M の正の座標近傍系で局所有限とする。
さらに各 V_β の閉包はコンパクトとする。
Q = ((g_β), β ∈ B) を (V_β), β ∈ B に従属する1の分割とする。

このとき、∫[P] ω = ∫[Q] ω である。

証明
∫[P] ω = Σ∫ f_αω
= (Σ g_β)Σ∫f_αω) ← Σg_β = 1 より
= ΣΣ∫ g_βf_αω)
= (Σ f_α)Σ∫g_βω)
= Σ∫ g_βω ← Σf_α = 1 より
= ∫[Q] ω
証明終
0192Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/05(木) 09:17:34
>>191
ω は M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもつとする。
0193Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/05(木) 09:22:39
定義
M をパラコンパクトな向き付けられた n 次元多様体とする。
ω を M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台をもつとする。
(U_α, ψ_α), α ∈ A を M の正の座標近傍系で局所有限とする。
さらに各 U_α の閉包はコンパクトとする。
過去スレ014の770より、(U_α), α ∈ A に従属する1の分割
P = ((f_α), α ∈ A) が存在する。

>>191より、∫[P] ω は P の選び方によらない。
よって ∫[P] ω を ∫[M] ω または ∫ω と書いて ω の積分と呼ぶ。
0194Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/05(木) 13:03:44
補題
M と N を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とし、
σ: M → N を向きを保存する(>>170)微分同相(>>171)とする。
(U_α, ψ_α), α ∈ A を M の正の座標近傍系(過去スレ014の736)とする。

このとき、(σ(U_α), ψ_ασ^(-1)), α ∈ A は N の正の座標近傍系である。

証明
(σ(U_α), ψ_ασ^(-1)), α ∈ A が N の座標近傍系であることは明らかである。
よって、各 α ∈ A に対して (U_α, ψ_α) が正の座標近傍であることを証明すればよい。

p ∈ U_α のとき ψ_α(p) = (x_1(p), ..., x_n(p)) と書く。
q ∈ σ(U_α) のとき ψ_ασ^(-1)(q) = (y_1(q), ..., y_n(q)) と書く。

p ∈ U_α のとき (y_1(σ(p)), ..., y_n(σ(p))) = (x_1(p), ..., x_n(p))
である。

θ を N の体積要素(過去スレ014の734)とする。
σ(U_α) 上で θ = g(y)dy_1Λ...Λdy_n とする。
>>169より、U_α 上で σ^*(θ) = (gσ)det(J_σ)dx_1Λ...Λdx_n となる。

U_α 上で det(J_σ) = 1 であるから
σ^*(θ) = (gσ)dx_1Λ...Λdx_n となる。

仮定より、σ^*(θ) は M の体積要素であり、(x_1, ..., x_n) は正であるから
過去スレ014の736より、U_α 上で gσ > 0 である。
よって、σ(U_α) 上で g > 0 である。
よって、過去スレ014の736より、(y_1, ..., y_n) は正である。
証明終
0195Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/05(木) 15:49:48
補題
X と Y を位相空間とし、f: X → Y を位相同型とする。
(S_α), α ∈ A を X の部分集合からなる族で局所有限(過去スレ014の766)とする。

このとき、(f(S_α)), α ∈ A は局所有限である。

証明
Y の任意の点 p に対して f^(-1)(p) = q とおく。
仮定より、q の近傍 V で V ∩ S_α ≠ φ となる α ∈ A の個数が
有限であるものが存在する。

f は単射であるから任意の α ∈ A に対して f(V ∩ S_α) = f(V) ∩ f(S_α) である。
よって、f(V) ∩ f(S_α) ≠ φ となる α ∈ A の個数は有限である。
f(V) は p の近傍であるから (f(S_α)), α ∈ A は局所有限である。
証明終
0196Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/06(金) 00:41:08
命題(積分の変数変換公式)
M と N をパラコンパクト(過去スレ014の757)な向き付けられた
n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
σ: M → N を向きを保存する(>>170)微分同相(>>171)とする。

ω を N 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台をもつとする。
このとき、
∫[N] ω = ∫[M] σ^*(ω)

証明
(U_i, ψ_i), i ∈ I を M の正の座標近傍系で局所有限とする。
さらに各 U_i の閉包はコンパクトとする。
過去スレ014の770より、(U_i), i ∈ I に従属する1の分割
P = ((f_i), i ∈ I) が存在する。
>>194より、(σ(U_i), ψ_iσ^(-1)), i ∈ I は N の正の座標近傍系である。
σ は位相同型であるから>>195より、これは局所有限である。
σ は位相同型であるから各 σ(U_i) の閉包はコンパクトである。

Q = ((f_i)σ^(-1), i ∈ I) は (σ(U_i), ψ_iσ^(-1)), i ∈ I に
従属する1の分割である。

記述を簡単にするため (ψ_i)^(-1) = φ_i とおく。

∫[M] σ^*(ω) = ∫[P] σ^*(ω) ← >>193
= Σ∫ f_iσ^*(ω) ← >>190
= Σ∫[ψ_i(U_i)] (φ_i)^*(f_iσ^*(ω)) ← >>187
= Σ∫[ψ_i(U_i)] (σφ_i)^*(f_iσ^(-1)ω) ← >>166, >>186
= ∫[Q] ω ← >>190
= ∫[N] ω ← >>193
証明終
0197Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/06(金) 01:46:47
M をパラコンパクト(過去スレ014の757)な向き付けられた(過去スレ014の734)
n 次元多様体とする。
ω を M 上の体積要素(過去スレ014の734)とする。

f を M 上のコンパクトな台をもつ実数値連続関数とする。
fω は n 次の連続な微分形式でコンパクトな台をもつ。
よって、∫[M] fω が定義される(>>193)。

M は多様体であるから局所コンパクトである。
M 上のコンパクトな台をもつ実数値連続関数全体の集合を K(M, R) と書いた
(過去スレ009の21)。

f ∈ K(M, R) のとき、μ(f) = ∫[M] fω とおく。
μ は K(M, R) 上の正値線型形式(過去スレ009の731)である。
よって過去スレ009の734より、μ は実Radon測度(過去スレ009の729)であり、
従って、正値Radon測度(過去スレ009の730)である。
0198Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/06(金) 17:46:10
ここで、テンソル場の定義を述べるため準備をする。

定義
E を実数体 R 上の有限次元線型空間とする。
E^* をその双対空間とする。

整数 r, s ≧ 0 に対して
T(r, s)(E) = L((E^*)^r, E^s, R) とおく。

ここで、L((E^*)^r, E^s, R) は r 個の E^* と s 個の E から R への
R-多重線型写像全体を表す。
ただし、T(0, 0)(E) = R とする。

T(r, s)(E) の元は (r, s) 型のテンソルと呼ばれる。
0199Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/06(金) 17:57:20
定義
E を実数体 R 上の有限次元線型空間とする。

t ∈ T(p_1, q_1)(E), s ∈ T(p_2, q_2)(E) のとき
テンソル積 t※s ∈ T(p_1 + p_2, q_1 + q_2)(E) を

t※s(a^1, ..., a^(p_1), b^1, ..., b^(p_2), v_1, ..., v_(q_1), w_1, ..., w_(q_2))
= t(a^1, ..., a^(p_1), v_1, ..., v_(q_1)) s(b^1, ..., b^(p_2), w_1, ..., w_(q_2))

により定義する。

ここで、a^1, ..., a^(p_1), b^1, ..., b^(p_2) ∈ E^*
v_1, ..., v_(q_1), w_1, ..., w_(q_2) ∈ E
である。
0200Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/06(金) 18:01:33
E を実数体 R 上の有限次元線型空間とする。

T(1, 0)(E) = L(E^*, R) は E と同一視できることに注意する。
0201Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/06(金) 18:18:25
命題
E を実数体 R 上の有限次元線型空間とする。
e_1, ..., e_n をその基底とし、e^1, ..., e^n をその双対基底とする。

T(r, s)(E) の基底は
{e_(i_1)※...※e_(i_r)※e^(j_1)※...※e^(j_s); 1 ≦ i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s ≦ n}
である。
従って dim T(r, s)(E) = n^(r + s) である。

証明
ΣA(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s)e_(i_1)※...※e_(i_r)※e^(j_1)※...※e^(j_s) = 0
とする。
ここで、A(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s) ∈ R である。

この等式の左辺を t とする。
t(e^(k_1), ..., e^(k_r), e_(l_1), ..., e_(l_s))
= A(k_1, ..., k_r, l_1, ..., l_s)
= 0

よって、{e_(i_1)※...※e_(i_r)※e^(j_1)※...※e^(j_s)} は一次独立である。

他方、任意の t ∈ T(r, s)(E) は
Σt(e^(i_1), ..., e^(i_r), e_(j_1), ..., e_(j_s))e_(i_1)※...※e_(i_r)※e^(j_1)※...※e^(j_s)
と書ける。
証明終
0202Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/06(金) 20:00:02
定義
E を実数体 R 上の有限次元線型空間とする。

t を T(0, s)(E) の元とする。
{1, ..., s} の任意の置換 σ と任意の v_1, ..., v_s ∈ E に対して

t(v_σ(1), ..., v_σ(s)) = t(v_1, ..., v_s)

となるとき、t を (0, s) 型の対称テンソルと呼ぶ。

t(v_σ(1), ..., v_σ(s)) = ε(σ)t(v_1, ..., v_s)
となるとき、t を (0, s) 型の交代テンソルと呼ぶ。
ここで、ε(σ) は σ の符号である。

同様に、(r, 0) 型の対称テンソルと交代テンソルが定義される。
0203Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/06(金) 20:09:48
定義
M を n 次元多様体とする。
M の点 p に対して T_p(M) を p のおける M の接空間とする。
M の各点 p に T(r, s)(T_p(M)) (>>198) の元 t_p を対応させる写像 t を考える。

U を M の座標近傍で x_1, ..., x_n をその局所座標系とする。
p ∈ U のとき、(∂/∂x_1)_p, ..., (∂/∂x_n)_p は T_p(M) の基底である。
(dx_1)_p, ..., (dx_n)_p はその双対基底である。

>>201より、t は U 上で
Σt(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s)∂/∂x_(i_1)※...※∂/∂x_(i_r)※dx_(j_1)※...※dx_(j_s)
と一意に書ける。
各 t(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s) を t の座標 x_1, ..., x_n に関する成分と呼ぶ。

各 t(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s) が U 上で C^k 級のとき、t を C^k 級の
(r, s) 型テンソル場という。

特に断らない限りテンソル場は C^∞級とする。

(1, 0) 型テンソル場をベクトル場と呼ぶ。

(0, s) 型のテンソル場 t で M の各点 p で t_p が対称テンソル(>>202)のとき
t を (0, s) 型の対称テンソル場という。
同様に (0, s) 型の交代テンソル場、(r, 0) 型の対称テンソル場、
(r, 0) 型の交代テンソル場が定義される。

(0, s) 型の交代テンソル場は s 次の微分形式(過去スレ014の731)に他ならない。
0204Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/06(金) 20:51:21
E を実数体 R 上の n 次元Hilbert空間(過去スレ010の600)とする。

E の元 x に対して ♭(x) ∈ E^* を ♭(x)(y) = <x, y> により定義する。
♭: E → E^* は線型空間としての同型である。
♭ の逆写像を♯と書く。

e_1, ..., e_n を E の基底とする。
e^1, ..., e^n をその双対基底とする。

g_(i, j) = <e_i, e_j>, 1 ≦ i, j ≦ n とおく。

♭(e_j)(e_i) = <e_j, e_i> = <e_i, e_j> = g_(i, j)

よって、♭ の (e_1, ..., e_n) と (e^1, ..., e^n) に関する表現行列は
(g_(i, j)) である。

(g_(i, j)) の逆行列を (g^(i, j)) と書く。

♯(e^j) = Σg^(i, j)e_i
よって、
♯(e^j)(e^i) = g^(i, j)

x を E の元とし、その (e_1, ..., e_n) に関する成分を (x^1, ..., x^n) とする。
即ち、x = Σx^ie_i である(添え字の上げ下げに注意)。

y を E^* の元とし、その (e^1, ..., e^n) に関する成分を (y_1, ..., y_n) とする。
即ち、y = Σy_ie^i である。

♭(x)_i = ♭(x)(e_i) = Σx^j♭(e_j)(e_i) = Σx^j<e_j, e_i> = Σg_(i, j)x^j
(添え字の上げ下げに注意)

♯(y)^i = Σy_j♯(e^j)(e^i) = Σg^(i, j)y_j
0205Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/06(金) 23:06:14
E を実数体 R 上の n 次元Hilbert空間(過去スレ010の600)とする。
E^* をその双対空間とする。
e_1, ..., e_n を E の基底とする。
e^1, ..., e^n をその双対基底とする。
g_(i, j) = <e_i, e_j>, 1 ≦ i, j ≦ n とおく。
(g_(i, j)) の逆行列を (g^(i, j)) と書く。

♭: E → E^* と ♯: E^* → E を>>204で定義した写像とする。

R を T(1, 1)(E) (>>198)の元とする。
(v, w) ∈ E×E に R(♭(v), w) を対応させる写像 S は T(0, 2)(E) の元である。
S(e_i, e_j) = R(♭(e_i), e_j) = Σg_(i, k)R(e^k, e_j) である
(添え字の上げ下げに注意)。

(v^*, w^*) ∈ (E^*)×(E^*) に R(v^*, ♯(w^*)) を対応させる写像 U は
T(2, 0)(E) の元である。

U(e^i, e^j) = R(e^i, ♯(e^j)) = Σg^(k, j)R(e^i, e_k) である
(添え字の上げ下げに注意)。

S と U をそれぞれ R の随伴テンソルと呼ぶ。

(r, s) 型のテンソルに対しても同様に種々の随伴テンソルが定義される。
0206Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 08:26:50
命題
E を実数体 R 上の n 次元線型空間とする。
T(r, s)(E) (>>198) は T = E※...※E※(E^*)※...※(E^*) と標準的に同型である。
ここで、T は r 個の E と s 個の E^* の R 上のテンソル積である。

証明
v_1, ..., v_r ∈ E, (w_1)^*, ..., (w_s)^* ∈ E^* に対して
v_1※...※v_r※(w_1)^*※...※(w_s)^* ∈ T(r, s)(E) を対応させる写像は
R 上の多重線型写像である。
よって、T から T(r, s)(E) への線型写像 f で
f(v_1※...※v_r※(w_1)^*※...※(w_s)^*) = v_1※...※v_r※(w_1)^*※...※(w_s)^*
となるものが一意に定まる。

>>201より、T(r, s)(E) の任意の元は v_1※...※v_r※(w_1)^*※...※(w_s)^* の
形の元の一次結合として表されるから f は全射である。

一方、dim T = dim T(r, s)(E) = n^(r + s) であるから
f は同型写像である。
証明終
0207Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 08:48:33
定義
E を実数体 R 上の n 次元線型空間とする。
整数 r, s ≧ 1 が与えられたとき、1 ≦ i ≦ r, 1 ≦ j ≦ s となる
整数の組 (i, j) を一つ固定する。

v_1, ..., v_r ∈ E, (w_1)^*, ..., (w_s)^* ∈ E^* に対して T(r-1, s-1)(E) の元
<v_i, (w_j)^*> v_1※...(v_i)^...※v_r※(w_1)^*※...((w_j)^*)^...※(w_s)^*
を対応させる写像を考える。((w_j)^*)^
ここで、(v_i)^, ((w_j)^*)^ はそれぞれ v_i と (w_j)^* を積から省くことを意味する。
この写像は明らかに多重線型である。
よって、>>206より、線型写像 C(i, j): T(r, s)(E) → T(r-1, s-1)(E) で、

C(i, j)(v_1※...※v_r※(w_1)^*※...※(w_s)^*)
= <v_i, (w_j)^*> v_1※...(v_i)^...※v_r※(w_1)^*※...((w_j)^*)^...※(w_s)^*

となるものが一意に存在する。

C(i, j) を縮約(contraction)と呼ぶ。
0208Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 10:06:50
命題
E を実数体 R 上の n 次元線型空間とする。
T(1, 1)(E) は標準的に Hom(E, E) に同型である。

証明
過去スレ014の288から明らかであるが、ここでは別証を述べる。

T(1, 1)(E) = L(E^*, E; R) である。
L(E^*, E; R) は標準的に Hom(E, Hom(E^*, R)) に同型である。
Hom(E^*, R) = E と見なせるから
L(E^*, E; R) は標準的に Hom(E, E) に同型である。
証明終
0209Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 10:09:48
E を実数体 R 上の n 次元線型空間とする。
e_1, ..., e_n をその基底とし、e^1, ..., e^n をその双対基底とする。
A を T(r, s)(E) (>>198) の元とする。
>>201より、
A = ΣA(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s)e_(i_1)※...※e_(i_r)※e^(j_1)※...※e^(j_s)
と一意に書ける。

A(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s) を A の (e_1, ..., e_n) に関する成分と呼ぶ。
テンソル A はその成分により一意に定まる。

縮約(>>207)を成分で書いてみよう。

B = C(i, j)(A) とおく。
B(i_1, ..., i_(r-1), j_1, ..., j_(s-1))
= ΣA(i_1, ..., k, ..., i_(r-1), j_1, ..., k, ..., j_(r-1))
となる。

ここで、和は k = 1, ..., n に関する。
左の k は i 番目に位置し、右の k は j 番目に位置する。

特に A ∈ T(1, 1)(E) のとき、B = C(1, 1)(A) とおくと、
B = ΣA(k, k) となる。
>>208より、T(1, 1)(E) は標準的に Hom(E, E) に同型であるから
B は Hom(E, E) の元としての A のトレース(過去スレ014の289)である。
よって縮約はトレースの拡張と見ることが出来る。
0210Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 12:58:25
定義
E を実数体 R 上の n 次元線型空間とする。

T(E) = ΣT(r, s)(E) (直和) とおく。
ここで (r, s) は (Z+)×(Z+) の元全体を動く。
ただし、 Z+ は整数 n ≧ 0 全体の集合である。

T(E) はテンソル積(>>199)を線型に拡張することにより R 上の結合的な代数となる。
T(E) を E 上のテンソル代数と呼ぶ。

ΣT(r, 0)(E) は T(E) の部分代数であるが、これを E 上の反変テンソル代数と呼ぶ。
0211税務署2009/11/07(土) 13:06:29
お
0212Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 13:11:23
定義
A を可換体 K 上の必ずしも結合的とは限らない代数とする。
即ち、 A は K 上の線型空間であり、双線型写像 m: A×A → A が与えられている。
a, b ∈ A のとき m(a, b) = ab と書く。

A の微分(derivation) D とは線型写像 D: A → A で
任意の a, b ∈ A に対して D(ab) = D(a)b + aD(b) となるものをいう。
0213Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 14:00:23
命題
A を可換体 K 上の必ずしも結合的とは限らない代数とする。
D_1, D_2 を A の微分(>>212)とする。
D = D_1D_2 - D_2D_1 とおく。

このとき D は A の微分である。

証明
D(ab) = D_1(D_2(ab)) - D_2(D_1(ab))
= D_1(D_2(a)b + aD_2(b)) - D_2(D_1(a)b + aD_1(b))

= (D_1D_2(a))b + D_2(a)D_1(b) + D_1(a)D_2(b) + aD_1D_2(b)
- (D_2D_1(a))b - D_1(a)D_2(b) - D_2(a)D_1(b) - aD_2D_1(b)

= (D_1D_2(a))b - (D_2D_1(a))b + aD_1D_2(b) - aD_2D_1(b)

= (D_1D_2(a) - D_2D_1(a))b + a(D_1D_2(b) - D_2D_1(b))

= D(a)b + aD(b)
証明終
0214Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 14:04:45
>>212と>>213において K は可換環と仮定してもよい。
0215Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 14:32:06
>>198以降 T(r, s)(E) に関して述べたことは K が可換環で E が K 上の
有限生成自由加群としてもそのまま成り立つ。
もっと一般に E を可換環 K 上の有限生成射影加群としてもそのまま成り立つ。
0216Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 14:46:49
命題
A を可換環 K 上の結合的な代数とする。
x, y ∈ A のとき [x, y] = xy - yx と書く。

このとき、A の任意の元 x, y, z に対して

[x, [y, z]] + [y, [z, x]] + [z, [x, y]] = 0

となる。

証明
[x, [y, z]] = x(yz - zy) - (yz - zy)x = xyz - xzy - yzx + zyx

[y, [z, x]] = y(zx - xz) - (zx - xz)y = yzx - yxz - zxy + xzy

[z, [x, y]] = z(xy - yx) - (xy - yx)z = zxy - zyx - xyz + yxz

よって、
[x, [y, z]] + [y, [z, x]] + [z, [x, y]] = 0
証明終
0217Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 14:48:00
>>216の等式
[x, [y, z]] + [y, [z, x]] + [z, [x, y]] = 0
を Jacobiの等式と呼ぶ。
0218Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 14:52:13
定義
A を可換体 K 上の必ずしも結合的とは限らない代数とする。
A の2元 x, y の積を [x, y] と書く。

A が次の条件を満たすとき A を K 上のLie代数と呼ぶ。

A の任意の元 x, y, z に対して

1) [x, x] = 0

2) [x, [y, z]] + [y, [z, x]] + [z, [x, y]] = 0
0219Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 14:54:52
Lie代数の例

A を可換環 K 上の結合的な代数とする。
x, y ∈ A のとき [x, y] = xy - yx と書く。

>>216より、A は乗法 [x, y] により K 上のLie代数となる。
0220Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 14:59:32
Lie代数の例

E を可換環 K 上の加群とする。
E の自己準同型環 End(E) は K 上の結合的な代数である。
よって、>>219より、End(E) は乗法 [x, y] = xy - yx により
K 上のLie代数となる。

このLie代数を gl(E) と書く。

E = K^n のとき gl(E) を gl(n, K) と書く。
0221Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 15:04:40
Lie代数の例

A を可換環 K 上の必ずしも結合的とは限らない代数とする。
Der(A) を A の微分(>>212)全体の集合とする。

D_1, D_2 ∈ A のとき [D1, D2] = D_1D_2 - D_2D_1 と書く。
>>213より [D1, D2] ∈ Der(A) である。

よって、Der(A) は gl(A) (>>220) の部分代数である。
よって、Der(A) はLie代数である。
0222Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/07(土) 15:51:33
定義
E を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
T(E) を E 上のテンソル代数(>>210, >>215)とする。

T(E) の微分(>>212) D で以下の条件を満たすもの全体を E 上のテンソル微分と呼ぶ。

1) 任意の整数 r, s ≧ 0 に対して D(T(r, s)(E)) ⊂ T(r, s)(E)

2) D は任意の縮約(>>207)と可換である。

E 上のテンソル微分全体を DerT(E) と書く。
これは Der(T(E)) (>>221) の部分代数であるからLie代数である。
0223Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 10:32:19
E を可換環 K 上の加群とする。
E が有限生成の自由加群でなくてもテンソル代数 T(E) は定義できる。

T(r, s)(E) = E※...※E※(E^*)※...※(E^*) とおく。
ここで、右辺は r 個の E と s 個の E^* の K 上のテンソル積である。

T(E) = ΣT(r, s)(E) (直和) とおく。
ここで (r, s) は (Z+)×(Z+) の元全体を動く。
ただし、 Z+ は整数 n ≧ 0 全体の集合である。

T(E) はテンソル積により K 上の結合的な代数となる。
T(E) を E 上のテンソル代数と呼ぶ。

縮約も>>207と同様に定義出来る。

E 上のテンソル微分も>>222と同様に定義出来る。
0224Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 11:24:59
補題
E を可換環 K 上加群とする。
T(E) を E 上のテンソル代数(>>223)とする。
D を E 上の任意のテンソル微分(>>222, >>223)とする。
D(E) ⊂ E であるから D は K 加群としての準同型 f: E → E を引き起こす。

このとき、D|E^* = -f^* である。
ここで、f^* は f の転置写像(transpose)である。

証明
D(1) = D(1)1 + 1D(1) = D(1) + D(1)
よって、D(1) = 0
よって、任意の a ∈ K に対して D(a) = aD(1) = 0 となる。

よって、v ∈ E, w^* ∈ E^* に対して D(<v, w^*>) = 0

他方、
D(<v, w^*>) = D(C(v※w^*)) = C(D(v※w^*))
= C(D(v)※w^* + v※D(w^*)) = <D(v), w^*> + <v, D(w^*)>

ここで、C は縮約(>>207)である。

よって、
<v, D(w^*)> = -<f(v), w^*> = <v, -f^*(w^*)>
よって、
D(w^*) = -f^*(w^*)
よって、
D|E^* = -f^* である。
証明終
0225Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 14:36:48
補題
E を可換環 K 上加群とする。
T(E) を E 上のテンソル代数(>>223)とする。
f: E → E を K-加群としての E の任意の準同型とする。

このとき、E 上のテンソル微分(>>222, >>223) で E 上で f と一致するものが
一意に存在する。

証明
記述を簡単にするため T(E) の元 x, y の積 x※y を xy と
書くことにする。

D を E 上のテンソル微分とする。

t_1, t_2, ..., t_n を E または E^* の元とする。
D(t_1t_2...t_n) = Σt_1...t(i-1)D(t_i)t_(i+1)...t_n である。

T(E) は K 上 E と E^* で生成されるから、D は D|E 及び D|E^* により
一意に決まる。

v ∈ E に対して D(v) = f(v) とおき、
w^* ∈ E に対して D(w^*) = -f^*(w^*) とおく。

T(r, s)(E) の元 t に対して D(t) を上記の等式を線型に拡張することにより
定義する。

D が T(E) の微分で任意の整数 r, s ≧ 0 に対して D(T(r, s)(E)) ⊂ T(r, s)(E)
となることは明らかである。
よって、D が任意の縮約と可換であることを証明すればよい。

(続く)
0226Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 14:37:32
>>225の続き

v ∈ E, w^* ∈ E^* に対して
CD(v(w^*)) = C(f(v)w^* - vf^*(w^*)) = <f(v), w^*> - <v, f^*(w^*)> = 0
他方、DC(v(w^*)) = D(<v, w^*>) = 0
よって、
CD(v(w^*)) = DC(v(w^*))

よって、D と C は T(1, 1)(E) 上で可換である。
r, s ≧ 1 のとき、

DC(i, j)(v_1...v_r(w_1)^*...(w_s)^*)
= D(<v_i, (w_j)^*> v_1...(v_i)^...v_r(w_1)^*...((w_j)^*)^...(w_s)^*)
= <v_i, (w_j)^*> D(v_1...(v_i)^...v_r(w_1)^*...((w_j)^*)^...(w_s)^*)

他方、
C(i, j)D(v_1...v_r(w_1)^*...(w_s)^*)
= C(i, j)(D(v_1)v_2...v_r(w_1)^*...(w_s)^*)
...
+ C(i, j)(v_1...f(v_i)...v_r(w_1)^*...(w_s)^*)
...
- C(i, j)(v_1...v_r(w_1)^*...f^*((w_j)^*)...(w_s)^*)
...
+ C(i, j)(v_1...v_r(w_1)^*...D((w_s)^*))

ここで、<f(v_i), (w_j)^*> = <v_i, f^*((w_j)^*)> であるから
DC(i, j)(v_1...v_r(w_1)^*...(w_s)^*) = C(i, j)D(v_1...v_r(w_1)^*...(w_s)^*)

よって、D と C は T(r, s)(E) 上で可換である。
証明終
0227Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 14:42:16
命題
E を可換環 K 上の加群とする。
T(E) を E 上のテンソル代数(>>223)とする。
D を E 上の任意のテンソル微分(>>222, >>223)とする。
D(E) ⊂ E であるから D は K 加群としての準同型 f: E → E を引き起こす。
D に f を対応させる写像を ψ とする。

このとき、ψ は DerT(E) (>>222) から gl(E) (>>220) へのLie代数としての
同型である。

証明
ψ([D_1, D_2]) = ψ(D_1D_2 - D_2D_1) = ψ(D_1)ψ(D_2) - ψ(D_2)ψ(D_1)
= [ψ(D_1), ψ(D_2)]

よって、ψ はLie代数としての準同型である。
ψ が全単射であることを証明すればよい。

D を DerT(E) の任意の元とする。
f = D|E とおくと、>>224より、D|E^* = -f^* である。

T(E) は K 上の代数として E と E^* で生成される。
よって、f = 0 なら D = 0 である。
即ち、ψ は単射である。

逆に f: E → E を K-加群としての任意の準同型とする。
>>225より、ψ(D) = f となる D ∈ DerT(E) が存在する。
即ち、ψ は全射である。
証明終
0228Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 15:41:46
E を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
このとき>>223の T(E) と>>210, >>215で定義したテンソル代数 T(E) が
一致することは (E^*)^* = E と次の命題から分かる。
0229Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 15:42:52
命題
E と F を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
このとき、(E^*)※(F^*) と (E※F)^* は標準的に同型である。
ここで、※ は K 上のテンソル積をあらわす。

証明
L(E, F; K) を E×F から K への双線型写像全体のなす K-加群とする。
(E※F)^* と L(E, F; K) は標準的に同型である。
よって、(E^*)※(F^*) と L(E, F; K) が標準的に同型であることを証明すればよい。

f ∈ (E^*) と g ∈ (F^*) に対して τ(f, g) ∈ L(E, F; K) を
τ(f, g)(v, w) = f(v)g(w) により定義する。
(e_1, ..., e_n) を E の基底とし、(e^1, ..., e^n) をその双対基底とする。
(f_1, ..., f_m) を F の基底とし、(f^1, ..., f^m) をその双対基底とする。

Σa_(i, j)τ(e^i, f^j) = 0 とする。
ここで、a_(i, j) ∈ K であり、
和は {1, ..., n}×{1, ..., m} の元 (i, j) 全体を動く。
(k, l) ∈ {1, ..., n}×{1, ..., m} に対して、
Σa_(i, j)τ(e^i, f^j)(e_k, f_l) = a_(k, l) = 0
よって、τ(e^i, f^j), 1 ≦ i ≦ n, 1 ≦ j ≦ m は K 上一次独立である。

α を L(E, F; K) の任意の元とし、β = Σα(e_i, f_j)τ(e^i, f^j) とおく。
(k, l) ∈ {1, ..., n}×{1, ..., m} に対して、
β(e_k, f_l) = α(e_k, f_l) であるから β = α である。
よって、τ(e^i, f^j), 1 ≦ i ≦ n, 1 ≦ j ≦ m は L(E, F; K) の K 上の基底である。

τ は双線型であるから ψ: (E^*)※(F^*) → L(E, F; K) を引き起こす。
ψ は (E^*)※(F^*) の基底 (e^i)※(f^j), 1 ≦ i ≦ n, 1 ≦ j ≦ m を
L(E, F; K) の基底 τ(e^i, f^j), 1 ≦ i ≦ n, 1 ≦ j ≦ m に移すから
同型である。
証明終
0230Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 16:41:14
定義
E と F を可換環 K 上の加群とする。
u: E → F を K-加群としての同型とする。
u^*: F^* → E^* を u の転置写像とする。
u^* の逆写像 (u^*)^(-1): E^* → F^* を u の反傾写像(contragredient)と呼び、
u^ と書く(岩波数学辞典第3版)。
0231Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 17:04:00
E と F を可換環 K 上の加群とする。
u: E → F を K-加群としての同型とする。
u※u^: E※E^* → F※F^* は同型である。
ここで、u^ は u の反傾写像(>>230)である。

同様に、u(r, s) = u※...※u※u^※...※u^ は
同型 T(r, s)(E) → T(r, s)(F) である。
ここで、u(r, s) は r 個の u と s 個の u^ のテンソル積である。

v ∈ E, w^* ∈ E^* のとき
<u(v), u^(w^*)> = <v, u^*u^(w^*)> = <v, w^*>

よって、u(r, s) は縮約(>>207, >>223)と可換である。

従って u は同型 T(u) : T(E) → T(F) を引き起こす。
T(u) はテンソルの型を保存し(即ち T(u)(T(r, s)(E) ⊂ T(r, s)(F))、
テンソルの縮約と可換である。
0232Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 19:33:45
命題
E と F を可換環 K 上の加群とする。
T(E)と T(F) を K 上のテンソル代数(>>223)とする。
ψ: T(E) → T(F) を K 上の代数としての同型とする。
さらに ψ はテンソルの型を保存し、縮約と可換であるとする。

このとき K-加群としての同型 σ: E → F で、ψ = T(σ) となるものが一意に存在する。
ここで、T(σ) は>>231で定義したものである。

証明
ψ(E) = F であるから ψ は K-加群としての同型 σ: E → F を引き起こす。

v ∈ E, w^* ∈ E^* のとき、
ψ(v※w^*) = ψ(v)※ψ(w^*) = σ(v)※ψ(w^*)
よって、
Cψ(v※w^*) = <σ(v), ψ(w^*)>

他方、
ψC(v※w^*) = ψ(<v, w^*>) = <v, w^*>

ψ は縮約と可換であるから、
<σ(v), ψ(w^*)> = <v, w^*>

よって、
<v, σ^*ψ(w^*)> = <v, w^*>

よって、ψ(w^*) = σ^(w^*) である。
即ち、ψは K-加群としての同型 σ^: E^* → F^* を引き起こす。
T(E) は K-代数として K 上 E と E^* で生成されるから
ψ = T(σ) である。
σ の一意性は明らかである。
証明終
0233Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 19:55:12
定義
M を n 次元多様体とする。

T(r, s)(M) を M 上の (r, s) 型のテンソル場(>>203)全体の集合とする。

T(r, s)(M) は実数体 R 上の加群である。

T(M) = ΣT(r, s)(M) (直和) とおく。
ここで (r, s) は (Z+)×(Z+) の元全体を動く。
ただし、 Z+ は整数 n ≧ 0 全体の集合である。

A ∈ T(r, s)(M), B ∈ T(p, q)(M) のとき
A※B ∈ T(r+p, s+q)(M) を x ∈ M のとき、(A※B)_x = (A_x)※(B_x) で定義する。

A※B を A と B のテンソル積と呼ぶ。
テンソル積を線型に拡張して、T(M) は R 上の結合的な代数となる。

T(M) を M 上のテンソル代数と呼ぶ。
0234Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 20:04:53
定義
M を n 次元多様体とする。
整数 r, s ≧ 1 が与えられたとき、1 ≦ i ≦ r, 1 ≦ j ≦ s となる
整数の組 (i, j) を一つ固定する。
T(r, s)(M) を M 上の (r, s) 型のテンソル場(>>203)全体の集合とする。

A ∈ T(r, s)(M) のとき A の縮約 C(i, j)A を
x ∈ M に対して (C(i, j)A)_x = C(i, j)A_x により定義する。
ここで、C(i, j)A_x は A_x の縮約(>>207)である。
0235Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 20:10:42
定義
M を n 次元多様体とする。
T(M) を M 上のテンソル代数(>>233)とする。

T(M) の微分(>>212) D で以下の条件を満たすものを M 上のテンソル微分と呼ぶ。

1) D はテンソルの型を保存する。
即ち、任意の整数 r, s ≧ 0 に対して D(T(r, s)(E)) ⊂ T(r, s)(E)

2) D は任意の縮約(>>234)と可換である。
0236Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 20:21:22
M を n 次元多様体とする。
M 上のテンソル微分(>>235)を決定することを当面の目標とする。

T(0, 0)(M) (>>234)は M 上の C^∞級の実数値関数全体である。
これを C^∞(M) とも書く。
C^∞(M) は 実数体 R 上の結合的な代数である。

D を M 上のテンソル微分とする。
D(C^∞(M)) ⊂ C^∞(M) であるから D は C^∞(M) の微分を引き起こす。
従って、まず C^∞(M) の微分を調べよう。
0237Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 20:33:20
M を n 次元多様体とする。
>>233では M 上のテンソル代数を T(M) と書いたが、
これは後に述べる接束(tangent bundle)と紛らわしいので
T(*,*)(M) と書くことにする。
0238Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 20:56:28
M を n 次元多様体とする。
T(1, 0)(M) (>>234)は M 上の C^∞級のベクトル場全体である。
これを X(M) とも書く。

X ∈ X(M) と f ∈ C^∞(M) (>>236) に対して、
Xf ∈ C^∞(M) を p ∈ M のとき (Xf)(p) = X_p(f) により定義する。
(U, ψ) を M の座標近傍とし、(x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。
X は U 上で X = Σξ(x_1, ..., x_n)∂/∂x_i と書ける。
よって、U 上で、Xf = Σξ(x_1, ..., x_n)∂f/∂x_i
よって、Xf ∈ C^∞(M) である。

f, g ∈ C^∞(M) に対して、明らかに、
X(fg) = X(f)g + fX(g)
となる。

即ち、f → Xf は C^∞(M) の微分(>>212)である。
この微分を D_X と書く。
0239Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 21:26:53
補題
h を多様体 M の点 p の開近傍 U で定義されたC^∞級関数とする。
p の開近傍 V で V~ ⊂ U となるものと(V~ は V の閉包)、M 上のC^∞級関数 g で
次の条件を満たすものが存在する。

1) V 上で h = g

2) M - U で g = 0

証明
p の開近傍 W を W~ ⊂ U となるようにとる。
過去スレ014の748より、
p の開近傍 V で V~ ⊂ W となるものと、M 上のC^∞級関数 f で
以下の条件を満たすものが存在する。

a) 0 ≦ f ≦ 1

b) V~ 上で f = 1

c) M - W で f = 0

そこで、M 上の関数 g を
p ∈ U のとき g(p) = f(p)h(p)
p ∈ M - U のとき g(p) = 0
と定義する。

g は U 上で fh に等しいから U 上で C^∞級である。
g は M - W~ で 0 であるから M - W~ 上で C^∞級である。
よって、g は M 上で C^∞級である。
証明終
0240Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 22:09:11
補題
M を n 次元多様体とする。
C^∞(M) は 実数体 R 上の結合的な代数である(>>236)。
C^∞(M) の微分(>>212)全体を Der(C^∞(M)) と書いた(>>221)

このとき、X ∈ X(M) (>>238) に D_X ∈ Der(C^∞(M)) を対応させる写像は単射である。

証明
D_X = 0 と仮定して X = 0 を証明すればよい。

p を M の任意の点とする。
f を p の任意の開近傍 U で定義された任意のC^∞級関数とする。

>>239より、p の開近傍 V で V~ ⊂ U となるものと、M 上のC^∞級関数 g で
V 上で f = g となるものが存在する。
よって、X_p(f) = X_p(g) である。

他方、X_p(g) = (Xg)(p) = 0 である。
仮定より、Xg = 0 であるから、X_p(g) = 0 である。
よって、X_p(f) = 0 である。
よって、X_p = 0 である。

p は M の任意の点であるから M 上で X = 0 である。
証明終
0241Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 22:23:07
>>240
>他方、X_p(g) = (Xg)(p) = 0 である。

他方、X_p(g) = (Xg)(p) である。
0242Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/08(日) 22:36:37
補題
M を n 次元多様体とする。
C^∞(M) は 実数体 R 上の結合的な代数である(>>236)。
D を C^∞(M) の微分(>>212)とする。
f を C^∞(M) の元で M の開集合 U 上で 0 とする。

このとき、D(f) も U 上で 0 である。

証明
p を U の任意の点とする。
過去スレ014の748より、
p の開近傍 V で V~ ⊂ U となるものと、M 上のC^∞級関数 h で
以下の条件を満たすものが存在する。

a) 0 ≦ h ≦ 1

b) V~ 上で h = 1

c) M - U で h = 0

g = 1 - h とおく。

gf は U 上で 0 であるから U 上で gf = f である。
g は M - U で 1 であるから M - U で gf = f である。
よって、M 上で gf = f である。

よって、D(f) = D(g)f + gD(f)

f(p) = g(p) = 0 であるから D(f)(p) = 0 である。

p は U の任意の点であるから D(f) は U 上で 0 である。
証明終
0243Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/09(月) 00:02:35
補題
M を n 次元多様体とする。
M の点 p に p における接ベクトル X_p を対応させる写像 X を考える。
f ∈ C^∞(M) (>>236) に対して M 上の実数値関数 Xf を (Xf)(p) = X_p(f) により
定義する。

このとき、任意の f ∈ C^∞(M) に対して Xf ∈ C^∞(M) であれば、
X はC^∞級ベクトル場である。

証明
p を M の任意の点とする。
U を p ∈ U となる M の座標近傍で (x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。
U 上で X = Σξ_i(∂/∂x_i) と書ける。

j を 1 ≦ j ≦ n となる任意の整数とする。

>>239より、p の開近傍 V で V~ ⊂ U となるものと(V~ は V の閉包)、
M 上のC^∞級関数 g_j で V 上で x_j = g_j となるものが存在する。

V 上で X(g_j) = Σξ_i(∂g_j/∂x_i) = ξ_j となる。
よって、ξ_j は V 上でC^∞級である。
j は任意であるから X は V 上でC^∞級である。

p は M の任意の点であるから X は M 上でC^∞級である。
証明終
0244Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/09(月) 00:21:44
命題
M を n 次元多様体とする。
D を C^∞(M) (>>236)の微分(>>212)とする。

このとき D_X = D となる M 上のC^∞級ベクトル場 X が一意に存在する。
ここで、D_X は>>238で定義したものである。

証明
p を M の任意の点とする。
h を p の開近傍 U で定義されたC^∞級の実数値関数とする。
>>239より、M 上のC^∞級関数 f で p のある開近傍上で h = f となるものが存在する。
X_p(h) = D(f)(p) とおく。
>>242より、X_p(h) は f のとり方によらない。
D は微分だから X_p は p における接ベクトルである。
>>243より X はC^∞級ベクトル場である。

f ∈ C^∞(M) のとき Xf(p) = X_p(f) = D(f)(p)
よって、Xf = D(f)
即ち D_X = D である。

X の一意性は>>240で証明されている。
証明終
0245Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/09(月) 00:34:34
定義
M を n 次元多様体とする。
X と Y を M 上のベクトル場とする。
D_X と D_Y (>>238) は C^∞(M) (>>236)の微分であるから
>>213より [D_X, D_Y] = D_XD_Y - D_YD_X も C^∞(M) (>>236)の微分である。
よって、>>244より、D_Z = [D_X, D_Y] となるベクトル場 Z が一意に存在する。

Z を [X, Y] と書き、X と Y のブラケット積という。
0246Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/09(月) 07:48:11
M を多様体とする。
>>244と>>245より、X(M) (>>238) はブラケット積(>>245)により R 上のLie代数となる。
写像 X → D_X はLie代数としての X(M) と Der(C^∞(M)) の同型である。
0247Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/09(月) 08:19:29
M を多様体とする。
X を M 上のベクトル場とし、f を C^∞(M) (>>236) の元とする。
p ∈ M のとき f(p)X_p は p における接ベクトルである。
ベクトル場 p → f(p)X_p は明らかにC^∞級である。
これを fX と書く。

(f, X) → fX により X(M) (>>238) は可換環 C^∞(M) 上の加群になる。
0248Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/09(月) 08:37:49
定義
M を多様体とする。
A を (0, r) 型のテンソル場(>>203)とする。

X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して M 上の実数値関数 f を
f(p) = A_p((X_1)_p, ..., (X_r)_p) により定義する。
f を A(X_1, ..., X_r) と書く。
即ち、A(X_1, ..., X_r)(p) = A_p((X_1)_p, ..., (X_r)_p) である。
0249Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/09(月) 08:49:53
命題
M を多様体とする。
A を (0, r) 型のテンソル場(>>203)とする。
X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して A(X_1, ..., X_r) (>>248) はC^∞(M)級である。

証明
U を M の座標近傍で (x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。

ベクトル場 X_k は U 上で X_k = Σξ_k_i(∂/∂x_i) と書ける。
各ξ_k_i は U 上でC^∞(M)級である。

U 上で、
A(X_1, ..., X_r) = Σξ_k_(i_1)...ξ_k_(i_r)A(∂/∂x_(i_1), ..., ∂/∂x_(i_r))
ここで、和は添え字の組 (i_1, ..., i_r), 1 ≦ i_1, ..., i_r ≦ n 全体を動く。

A(∂/∂x_(i_1), ..., ∂/∂x_(i_r)) は U 上でC^∞(M)級であるから
A(X_1, ..., X_r) は U 上でC^∞(M)級である。
証明終
0250Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/09(月) 08:52:31
>>249
>X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して A(X_1, ..., X_r) (>>248) はC^∞(M)級である。

X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して A(X_1, ..., X_r) (>>248) はC^∞級である。
0251Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/09(月) 08:57:43
M を多様体とする。
>>247より、X(M) (>>238) は可換環 C^∞(M) 上の加群になる。

A を (0, r) 型のテンソル場(>>203)とする。

X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して A(X_1, ..., X_r) (>>248, >>249) を対応させる写像は、
X(M)^r から C^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像である。

逆に、X(M)^r から C^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像は (0, r) 型のテンソル場に
対応することを証明しよう。
0252Kummer ◆g2BU0D6YN2 2009/11/09(月) 11:16:08
補題
M を n 次元多様体とする。
A を X(M)^r から C^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。
X_1, ... X_r を M 上のベクトル場とする。
i を 1 ≦ i ≦ r となる整数とする。

このとき、X_i が M の開集合 U 上で 0 なら関数 A(X_1, ... X_r) も U 上で 0 である。

証明
p を U の任意の点とする。
過去スレ014の748より、
f ∈ C^∞(M) で f(p) = 0 かつ M - U 上で f = 1 となるものが存在する。

fX_i 及び X_i は U 上で 0 である。
M - U 上で f = 1 であるから M - U 上で fX_i = X_i である。
よって M 上で fX_i = X_i である。

よって、
A(X_1, ..., fX_i, ..., X_r) = fA(X_1, ... X_r) = A(X_1, ... X_r) となる。
よって、A(X_1, ... X_r)(p) = f(p)A(X_1, ... X_r)(p) = 0 である。

p は U の任意の点であるから A(X_1, ... X_r) は U 上で 0 である。
証明終
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