な 終助詞 希望・決意
【主な機能】

活用語の未然形に接続し、決意や希望をあらわす。1の用法は助動詞「む」とほぼ同じ意味になる。平安時代以後の和歌ではほとんど見られなくなるが、現代口語で「早くしな」などと言う時の「な」と同じ語であろうか(現代口語では連用形接続である)。
1. 話し手自身の行為について言う場合、「〜しよう」「〜したい」との自分の決意・希望をあらわす。

すべもなく苦しくあれば出で走り去ななと思へど子等にさやりぬ(万葉集、山上憶良)
秋の田の穂向きのよれる片寄りに君によりなな言痛(こちた)かりとも(万葉集、但馬皇女)

2. 他者に対しては、「〜してほしい」「〜しなさいな」といった希望・勧誘・慫慂などの意をあらわす。

熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな(万葉集、額田王)
道の中国つ御神は旅ゆきもし知らぬ君を恵みたまはな(万葉集、坂上郎女)

【補足】

連体助詞「な」、禁止の終助詞「な」、軽い詠嘆の間投助詞「な」と同音であるが、別の語である。