命題
E を複素数体 C 上の線形空間とする。
Hom(E, C) を E から C への C 上の線形写像全体の集合とする。
Hom(E, R) を E から実数体 R への R 上の線形写像全体の集合とする。

f ∈ Hom(E, C) に対して Re(f) を f の実部とする。
即ち x ∈ E に対して Re(f)(x) = Re(f(x)) である。
Re(f) は明らかに Hom(E, R) の元である。

このとき f に Re(f) を対応させる写像 Re : Hom(E, C) → Hom(E, R) は
全単射である。

証明
f ∈ Hom(E, C) に対して g = Re(f) を f の実部、
h = Im(f) を f の虚部とする。
f = g + ih である。
即ち x ∈ E に対して f(x) = g(x) + ih(x) である。
f(ix) = if(x) であるから
g(ix) + ih(ix) = -h(x) + ig(x) である。
よって h(x) = -g(ix) である。
よって f(x) = g(x) - ig(ix) である。

逆に g ∈ Hom(E, R) に対して f(x) = g(x) - ig(ix) とおけば、
f(ix) = g(ix) + ig(x) = if(x) であるから f ∈ Hom(E, C) である。
この f を Γ(g) と書けば Re と Γ は互いに逆写像である。
証明終