警部  「 名探偵殿、これは難解な事件ですね……。
      誰が犯人だとしても矛盾が出てきてしまいます。
      一体どんなトリックを使われたのでしょうか。」
名探偵 「 簡単なことだ。私以外の全ての人間が共犯者。これで解決。」
警部  「 『私以外』って、私も入ってるんですか!」
名探偵 「 勿論だよ。君だって目撃者の一人じゃないか。
      今回の事件は被害者の目撃情報さえなければ何の矛盾もないんだ。
      長年の付き合いだからといって特別扱いするつもりはないよ。」
警部  「 しかし被害者の行動は日本中に放送されていたんですよ。」
名探偵 「 言っただろう? 私以外は全員共犯者だ、と。
      全ての視聴者が共犯者。恐らくは私を除く日本人全員だ。
      残念だが日本は犯罪者の巣窟のようだな。既に悪魔の支配下だ。」
警部  「 ……本気で言ってるんですか?」
名探偵 「 あらゆる可能性を排除して、最後に残った可能性が、
      いかに信じがたいものであったとしても、それが事実なのだよ。
      誰の言うことを正しいとしても、私の推理と矛盾してしまう。
      逆に、私以外の言うことが全部間違っているとするならば、
      私の言うことは常に正しいとして何の問題もない。
      素人探偵は能力がないから、事件の度に色々と推理しなければならない。
      私は違う。『私以外は全員共犯者』。どんな事件もこれひとつで勝負できる。
      これぞ私が名探偵たる所以。どうだ、参ったか!」