まずKrullの共通イデアル定理(前スレ1の252)を加群の場合に拡張する。

定理
A をネーター環、M を有限生成 A-加群とし、
I を rad(A) に含まれるイデアルとする。
∩(I^n)M = 0 となる。ここで n はすべての正の整数 n > 0 を動く。

証明
N = ∩(I^n)M とおく。
IN = N を示せば、中山の補題より N = 0 となる。
IN ⊂ N は明らかだから N ⊂ IN を示す。
IN の準素部分加群分解(前スレ1の182)を IN = N_1 ∩ ... ∩ N_r
とする。各 i に対して Ass(M/N_i) = {p_i} とする。
S = {1, ..., r} とおく。S を以下の2個の部分集合に分割する。
S_1 = {i ∈ S; I ⊂ p_i}
S_2 = S - S_1 とおく。

定義から i ∈ S_1 のとき、I ⊂ p_i である。
Ass(M/N_i) = {p_i} だから (p_i)^nM ⊂ N_i となる n > 0 がある。
I ⊂ p_i だから (I^n)M ⊂ (p_i)^nM ⊂ N_i である。
一方 N ⊂ (I^n)M だから結局 N ⊂ N_i となる。

今度は j ∈ S_2 とする。
I は p_j に含まれないから、I の元 a で p_j に含まれないもの
がある。このとき N が N_j に含まれないと仮定する。
IN ⊂ N_j だから aN ⊂ N_j である。よって a は M/N_j に関して
非正則である。N_j は準素だから a ∈ p_j である。
これは仮定に反する。よって N ⊂ N_j でなければならない。

以上から、 任意の i ∈ S に対して N ⊂ N_i となる。
よって、N ⊂ IN となる。
証明終