>>131の条件と主張を弱めた次の命題を証明する。
証明も>>131と同様である。

命題
A をフィルター付環(>>91)とし、
M, L をフィルター付 A-加群(>>95)とする。
(M_p), (L_p) をそれぞれ M, L のフィルターとする。
f: M → L をフィルター付 A-加群としての射とする。
gr(A)-次数加群の射 gr(f)(>>127) : gr(M) → gr(L) は単射であるとする。
このとき、フィルター(M_p) が有限(>>94)なら、
f も単射となる。

証明
フィルター (M_p) は有限だから 整数 k と n ≧ 0 があり、
M = M_k ⊃ M_(k+1) ⊃ ... M_(k+n) = 0 となる。

n = 2 の場合を証明すれば、n に関する帰納法を使って、
一般の場合も証明できる。よって、この場合のみ証明する。

完全列:
0 → M_(k+1) → M_k → M_k/M_(k+1) → 0
と
0 → L_(k+1) → L_k → L_k/M_(k+1) → 0
を考える。

仮定により、f: M_k → L_k は、単射 M_(k+1) → L_(k+1) と
同型 M_k/M_(k+1) → L_k/M_(k+1) を誘導する。
snake lemmaを使って(使わなくても簡単にわかるが)
f も単射になる。
証明終