グロタンディークがIHESを,その財源の問題で突然辞めて
しまったことについて.

実は,彼はEGAやSGAでとったアプローチには限界が見えていて,
軍からの財源支援があったという事実は,「彼が目指してい
た数学を辞めるためのいい口実だった」,という話は一切
聞いたことがないけど,こういう可能性はなかったのだろうか?

もしもグロタンディークの代数幾何に対する熱意とアイデアが
枯渇することがなかったら,IHESを辞めた後も,多産でありえた
のではないかと思うのだが.
1970年にIHESを辞めてから1991年に突然隠遁するまでの活動は,
それ以前に較べると,まったく異質なわけですよね.

生を受けてからの青年時までの経験が,彼の思想やIHES辞任
などに大きな影響を与えていることはわかるけど,いきなり
こんな風に態度を変えて,それまでの数学をすべて投げ捨てて
しまえるとは思えないんだけど.とにかく,真理を求めて数学を
切り開くことに貪欲だったはずで,環境とか社会問題なんて,
それまで一切関心がなかったようなのに.
IHESの頃は新聞すら一切読まなかったらしい.