博士の愛した数式
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0469132人目の素数さん
2006/02/03(金) 00:43:59ベストセラーというのは時代の気分や流行(はやり)すたりを反映した結果であったりするので普遍性を獲得しにくく、結局は時代のあだ花として消えていってしまいがち。
時代を越えて読み継がれる名作が、ベストセラーから生まれるなんてこと、めったにありません。ヌルポ。
んがっ、その”めった”が起こってるんですの。
寺尾聰、根津絵里主演で映画化もされたのでご存知でしょ? 小川洋子の『博士の愛した数式』。
そうそう、80分しか記憶を持続できない天才数学者と、彼の身の回りの世話をする家政婦さん&その小学生の息子、3人の心の交流を描いたヒューマン・ドラマです。
映画のほうは、あ〜、さすが小泉尭史監督だけあって、四季折々の風景が美しい”阿弥陀堂”の博士の愛した数式といった風情になっておりまして、う〜、原作の10分の1くらいの感動をもたらす佳作?
そんな感じ、そんな程度の仕上がりなので、映画の10倍感動したい人は、ぜひ原作を読んでほしい、そーゆーことなんだすわね、だすわよ。
2004年に第1回本屋大賞を受賞したのをキックボードに、今回の映画化でさらに人気に火がついた感があるこの作品、いや、リーマンの皆さん、ホントにいい小説なんですよ。
株の入門書なんかで殺伐としてないで、行間から温かな情感がほのかに品よく立ちのぼってくる、この愛にまつわる物語を読んで、心の洗濯スイッチ押しちゃってくんなまし。
語り手である家政婦「私」の息子を、頭のてっぺんが平らだから「どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号」ルートと名づけ慈しむ博士の、幼い者に向ける無償の愛情。
世界の驚きと歓びと真実を、数字と数式で詩的にあらわす博士に対する「私」とルートの敬愛の念。
3人の間で通いあう礼儀正しくて、なのによそよそしくはない愛情を示すエピソードの数々が素晴らしいんです。
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