あって欲しくない数学の本
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0875132人目の素数さん
2005/11/09(水) 22:53:11すぐにでも重積分したい衝動を、川地はグッとこらえた。あせることはない。これまでも入念に帰無仮説をたてて、
p値p値と佐和子を追いつめてきたのだ。一気に棄却してしまうよりも、少しずつχ^2検定していくほうが、楽しみも大きいというものだ。
とくに佐和子のような女は、ジワジワと有意水準を下げたほうがおもしろい。
「どれ、今日のQ.E.D.といくか」
川地はニンマリすると、統計的仮説検定のつまみに出されていた情報量統計学を取りあげ、それにネイマン・ピアソン理論を巻きつけた。
「何を……何をしようというのです!?……もう、もうやめて! こんな問題をだして、独立性の検定ですむと思うの」
佐和子はRに光るSPSSに、SASとEXCEL、そして何をされるのかというS-PLUSを入り混じらせた。眼の前で見せつけるように、
ネイマン・ピアソン理論を巻いた情報量統計学にモデル選択が塗りつけられていく。
「どうだ、面白そうだろ、奥さん。モデルつき統計論だぜ、フフフ」
「やめてッ……ちゃんぽんなまねはやめて、そんな問題、いやッ! いやです!」
叫ぶ間にも、統数研統数研と光る情報量統計学が押しつけられてきた。ググッと脳内に分け入ってくる。
「ひいッ……い、いやあ……」
佐和子は情報圧縮が押し入ってくる感覚に、縮小推定値を揉み絞るようにして悲鳴をあげ、「うッ、ううむ」とうめいた。気も狂うような
面白い感覚がツーンと脳天に衝きあがった。
匂うような女の知性が、情報量統計学を呑みこんでいく。川地はくい入るようにのぞきこみながら、偏々と微分した。
もう背表紙がわずかにのぞいているだけだ。
「フフフ、あとで子供に参考書買ってやるんだな、市村佐和子」
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