著者が槍玉に上げている終身雇用、年功序列、官僚統制、講座制といった
慣行や制度が、多くの問題をはらんでいることは、我が国の学問や大学を
めぐる論議の中でかねてから指摘されてきたことは周知の通りである。
ただ、これらの慣行や制度に対する(日本人自身による)従来の批判は、
しばしば「被害者の立場」からなされるため、ルサンチマンの色合いが
濃くなり過ぎて、説得力に欠けるきらいがないでもなかった。しかし、
著者は外国人の人類学者として、我が国の慣行や制度を、利害関係を
離れて、或る意味では「善意の友人」としての立場から分析し批判している。