統計物理における分配関数と数論におけるL関数(ゼータ関数)はそれぞれ、
分子もしくは代数体の集団としての性質を特徴づけるものとして、共に19世紀末に
考えだされたもので、それぞれの分野において中心的役割を演じています。
統計物理と数論など一見無関係な様に思われるでしょうが、Lee-Yang による
相転移の理論の解析に Polya によるリーマンのゼータ関数の積分表示が影響を
与えた事を始め、分配関数とL関数との間には、その関係を示唆するものが色々あります。
例えば、統計物理もしくはその拡張である場の理論の分配関数は多くの場合、
保型形式で表現されますが、L関数も又、数論および表現論で現在最も重要な問題の一つ
であるいわゆるラングランズ哲学という保型形式との関係を通して解析されています。
本COEプロジェクトでは、幾何的構造や対称性を通し分配関数とL関数及びそれらの間の関係を
理解する事を目標にしています。