上野健爾の大予言!
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj6/sugakutu/intro01.html#4

冷戦が終わり次の秩序がまだ構築されていない現代は激動の時代と未来の歴史書は
述べるであろう.ここ5年間の大学の変貌のすさまじさは激動の時代というに相応
しい.しかし,この大学の変貌で私たちは将来への明るい展望をどれだけ持つこと
ができたのであろうか.学問を創造する場,文化を創造する場としての大学が急速
に色あせて来てはいないであろうか.数学に関しては,これまで,問題をはらみな
がらもそれなりに機能してきた研究者養成一つをとってみても,大学院重点化の結
果,早くも危機的状況に達している.組織の改変,新しい規則の制定,授業のシラ
バスの作成のような外面的な整備ばかりが先行し,数学という学問を創造する場に
ふさわしい雰囲気が大学や教室から急速になくなりつつある.多くの大学から様々
の分野で,たとえ少数であっても研究者が毎年育っていくことが無くなれば,日本
の数学そのものの活力は急速に衰えて行くであろう.さらに,我が国の巨大な財政
赤字は大学の基礎をゆるがし,国立大学の民営化への模索,科学技術基本法のもと
で直ぐ応用される研究の優遇とそれに伴う文化を支える学問への研究費の激減,大
学教員への任期制の導入にともなう研究者の使い捨てなどが予想され,大学の将来
には暗雲が立ちこめている.