『科学論入門』はしがきから
「近代自然科学をどのようにとらえ、それにいかに対処するかという問題が近年しきりに
議論されている。それを無批判的に謳歌する思潮が支配的である一方で、それに対する感
情的な否定の気分もごく一般的になっている。理性的で堅実な総合的識見が求められるゆ
えんである。」
>これを私は「弁証法的ヤラセ」と呼んでいます。極端なAとBを並べ立てて、それを止
揚したCを目指しましょうと呼びかけるわけです。これを書いている私もあなたもAやB
のようなバカじゃあありませんよ。Cみたいなのが理想ですね。あなたも私と一緒にCに
なりませんか、という広告宣伝の基本的テクニックです。

A:無批判的に科学を謳歌する
B:科学を感情的に否定する(「それ」は「近代自然科学」を指すものとする)
こんな立場の人間、いますか。どっちも佐々木の同業者のアホ科学史家や科学哲学者ならともかく、
普通の人間にはまずありえないでしょう。誰だって最初から既にCの立場にいます。わざわざ
「理性的」「堅実」「総合的」などと無意味な形容詞を付けてもらわなくても、この岩波新書を手に
取る現代人なら近代自然科学の抱えるジレンマにはとっくに気がついているのです。つまりこの文章
は優越感を演出するためのただのおべっかです。続く