研究者を目指しながら学位を取ったあと職がないまま研究を続ける人
のことをオーバードクターというが、以前はオーバードクターが増え
すぎて、オーバードクター問題というものが深刻化していた。
現在はポスドクのポストが増え、多少優秀であればポスドクに
なれるようになり、オーバードクターは減った。
日本のポスドクのポストが急激に増え始めたのが6年ほど前であり、
また、ほとんどのポスドクには35歳程度までの年齢制限がある。
恒久的な研究職に就くのはポスドクのポストを得ることとは
比較にならないくらい難しいため、
今度はポスドクを終えた人がその後の研究職を得られなくて困る
という事態が発生し始めている。オーバーポスドク問題である。

研究職に就くためには、途中で収入の道が途切れるかもしれない
という不安と戦いつつ、ポスドクをしながら研究を続けて行かなければならない。
また、助手のポストも今後は減らされ、
任期付きのポストに置き換えられていく傾向に向かっている。
この結果、現在は30歳前後で助手のポストにつくことによって
研究職に就いたことになるのに対して、これからは
最終的に研究職に就ける実力を持つ極めて優秀な人であっても、
30代半ばから40歳ぐらいまで任期付きのポストを渡り歩くのも
普通のことになるであろうと言われている。
つまり、この段階まで研究者の道を目指しながらかなわない者の数
がたいへん多くなるということであり、非常に優秀で
さらに運にもめぐまれたわずかな一握りを除き、
多くの人は職のないまま放り出されるのである。

http://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp/~taka/research/beginners/researcher.html