『科学革命の歴史構造』第三章 フランス革命と科学思想 より引用
「近代的実証主義と科学主義的傲慢の源泉を、われわれの歴史記述の中で重要な役割を演じた
エコル・ポリテクニクに見出したのはF・A・フォン・ハイエクである。ハイエクの論理の
運びは性急で、必ずしも賛成しがたいが、解析的言語プラス実験という、変容されたニュート
ン・パラダイムに加えて、何か19世紀に継承される実力本位主義(meritocracy)と呼ばれうる
ような熱狂をこの学校が生み出したことも事実であり、ハイエクの主張にも一片の洞察を認めない
わけにはいかない。(もっとも、われわれはハイエクにも、もう一つ別の19世紀的なブルジョワ的
経験主義の熱狂と偏見をかぎつけないわけにはいかないが。)

>さすがにこのノーベル経済学賞受賞学者を無視するわけにはいかなかったようだが、
 「論理の運びが性急」だの「ブルジョワ的熱狂と偏見」だの言いがかりをつけていて、
 こいつはやっぱりハイエクを嫌っていることが良くわかる。何せ“マルクス主義を殺した哲人”
 ですからね。
 私が恐れているのは、佐々木は客観を装った科学史記述の中にこうやって左翼的偏見をちらほらさせて
 予備知識のない人間(特に思想的に中立の理科系の学生)を知らず知らずのうちにおかしな方向へ誘導
 しているのではないかということである。