耐浸炭窒化性とは?
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0001名も無きマテリアルさん
NGNG『耐浸炭窒化性に優れる』という表現の意味について教えて頂きたく、
書き込みさせて頂きました。
簡単な説明だけでもうれしいので、よろしくお願いします。
0002名も無きマテリアルさん
NGNG一般論ですが。
浸炭、窒化が起こると硬くなるんで、工具鋼とかには都合がいいこともあるんだけど、
CrがC,NにFixされちゃって耐食性が下がるんで、SUSでは浸炭、窒化が起こりにくい方が
好ましいケースが多いと思います。
で、フェライト系(含むマルテン系)の場合、BCC(BCT)なんで、格子がすかすかなのに対して、
オーステナイト系はFCCだから、格子の隙間が小さくなります。
だから、拡散速度が全く違ってきます。温度にもよりますが、普通は、フェライト系の方が何桁も速いです。
浸炭、窒化の場合、「発生するかどうか」はほぼ雰囲気だけで決まる(熱力学的要因)んで、
問題になるのは、「どのくらい入り込むか」(速度論的要因)になってきます。
で、速度論的要因の主要な支配因子は、素材内部のC、Nの拡散なんで、
拡散速度の遅いFCC格子を持つオーステナイト系が耐浸炭窒化性に優れるって言ってるんじゃ
なかろうかと思います。
もし違う意味で使われてるようでしたら、また質問してみて下さい。
00031です。
NGNG再度、調べた所、鋼種はSUH330(オーステナイト系)でした。
まさに、ぴったりっす!!
つまり、浸炭、窒化は硬度を上昇させる効果があると共に、
耐腐食性を低下させることがあるということですね。なるほど♪
最後に、貴殿のご好意に甘えて、1つ質問させて頂きます。
文中の「CrがC,NにFixされちゃって」という表現は、
Crの炭化物または窒化物が形成される意味、
Cr原子がC,Nによって固着される意味、
または、上記以外の意味でしょうか?
ご回答、お待ちしております。
0004名も無きマテリアルさん
NGNG質問の回答ですが、炭化物や窒化物を形成するために、Crの活量
(実効的な濃度と考えてください)が低下するというのが一般的な説明です。
言うまでも無く、ステンレスの耐食性はCr酸化物の不働態皮膜が
担っているわけですが、Crの活量が低下すると、不働態皮膜を維持
しにくくなります。
固着というのは、Cr拡散を抑制するという意味でしょうか?
そのものずばりの解答は、残念ながら自分には分からないです。
ただ、Ni(Tiだったかも)中のAlは酸素が増えると拡散速度が低下する
という論文を読んだ記憶があります。
基本的に、OもCもNもインタースティシャルな固溶ですので、格子歪み
によって拡散の活性化体積を小さくする効果がありますし、拡散元素
とのアフィニティが強い場合には、トラップする効果もありますので、
C、NがCrの拡散速度を遅らせる効果はあると思います。
ただし、一般的にはこのような説明は見かけないと思いますので、効果と
しては小さいのではないかと思います。
(ちなみに、逆の視点から見て、鋼にCrを添加するとC、Nの拡散速度は数十%程度低下します。
このため、合金鋼では焼き入れ性が向上します。)
余談になりますが、オーステナイト系のステンレスでは、鋭敏化と
呼ばれる現象があります。700℃程度の中間温度で保持すると、Cr
が炭化物を形成して、そのまわりのCr濃度を低下させ、腐食が発生
しやすくなります。
(このため、304とか316には炭素量を低減したLグレードがあるわけです。)
0005再び1です。
NGNG自分はいままで材料強度の評価を中心に研究してきましたが、
おかげさまで、耐腐食、耐酸化性についても興味を持つようになりました。
まだ、まだ、ひよっこですが、がんばりたいと思います。
ありがとうございました。
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