視神経と聴覚神経に直接的に電送するウエラブルなマックが発売されて
はや幾数年。目を閉じて布団を被りながら指一本動かさずに脳内Finder画面を
操作して仕事を片づけるようになってから、おかしなノイローゼになり始めた。
はじめの頃はすこぶる快適であったのだが、夜になって布団に入って目を閉じて
いざ眠ろうとすると、さきほどまで脳内にあったイメージがフラッシュバックの
ように瞼の裏に蘇ってくる。これは脳の視覚野に今までにない類の負荷が
掛かり続けた為におこる現象で、一時的なもののようだ。それにしても
これは厄介だ。眠れないじゃないか。これもやはり夢のような機械じゃなかった。