compromiseはexploitと並んで非常に訳しにくい言葉なんですが(自分の仕事
でもこれの訳語をどうするかで悩んでいます)、一般にはアタックなどの結果、
アタッカーに対して何らかの利益をもたらすようにされた状態のことです。
具体的には、たとえば単純にアタッカーの行動をログに残さないよう設定変更
された状態から、rootkitあるいは分散DoS攻撃用モジュールなどを仕込まれている
状態まで含みます。個人的には、「アタッカーに侵入された」「正規ユーザーには
まだその事実が露見していない」「その後のアタッカーのアタック行為に利用
される」というニュアンスが含まれていると思います。動詞のcompromiseには
傷つける・汚すという意味があるので、compromised hostとかは「汚染された
ホスト」とするのがいいかもしれませんね。

この問題の場合、トロイなどの方法でLAN内にひとつcompromisedホストを
作られれば、あとはこのLDAP/NetInfoの脆弱性を利用した権限昇格アタックにより、
LAN内の全OSXホストのデータを読み出される危険性があります。もちろん身内に
アタッカーがいる場合は全く無防備ですし、無線LAN上に非正規ユーザーが
乗っかってくる可能性もあります。

IPスプーフィングに関しては、本件では自ホストの起動時にLAN内の全ホストに
対してLDAP/NetInfoリクエストをブロードキャストするのが直接の原因に
なっていると思われるので(このあたりとばし読みなので結構いい加減ですが)、
アタッカーのホストが双方向スプーフィングを実現できている場合はその
可能性もあるかもしれません。でもスイッチングハブ外のホストが、ハブ内に
いるように見せかけて双方向のIPスプーフィングを行うのは非常に困難だと
思います(LAN内のcompromisedホストがパケットヘッダ改竄を仲介している
場合は別です)。