本書カバーの動物はミヤコドリです。ツル、シギ、チドリ、サギ等と同じ渉禽類で、
南極大陸以外の全ての大陸に生息します。コントラストのはっきりした黒色と白色の羽毛、
緋色の虹彩、そして長く鮮やかなオレンジ色のくちばしという外見的な特徴があります。

多くのミヤコドリは生涯を通して同じつがいで過ごします。巣は採食地から少し内陸側に作り、
毎年春に同じ場所へ戻ってきます。1回の産卵で平均3個の卵を産み、25日から28日で孵化します。
ミヤコドリは他の渉禽類とは異なり、孵化してから6週間程度の期間しか雛に餌を与えません。

ミヤコドリは、ザルガイ、ムール貝、牡蠣のような二枚貝や、カニ、タマキビ、タマシキゴカイ、
ミミズ等を主食としています。雛は6週間も経たないうちから、くちばしのHerbst小体
(くちばしに備えられた感覚器官)を使って砂の中の虫を捕まえる事を学びはじめます。
しかし、貝の殻を完璧に開けられるようになるには数年かかるようです。

貝の殻をあけるためには、叩き付ける、または突き刺すという2種類の方法を使います。
叩きつける方法では、貝を岩場へ運び、殻が開くまで叩きつけます。突き刺す方法では、
長いくちばしをてこのように使い、殻が閉じないように貝の閉殻筋を切断します。
2種類のうちどちらの方法を使うかは、幼い頃の学習に依存します。同様に、貝などの
軟体動物とカニのどちらを主食にするのかも、幼い頃の成長過程に依存します。
軟体動物を主食とする雛はカニを恐れることが知られています。