アップル、『OS X』アップデートで大失策
Michelle Delio

2001年11月29日 4:15pm PST  ホリデーシーズンには安売りがつきものだ
が、米アップルコンピュータ社は、最新版の『マッキントッシュOS』に100
ドルの値引きを提供しようとは思っていなかった。

 だが、マックOS関連の技術サイト『マック・フィックス・イット』のスタ
ッフたちは、ある問題を回避する簡単な方法を探しているときに、OS Xを
100ドル安くする方法を発見してしまい、驚いた。アップデート用CD『OS
X 10.1.1』を、フルに機能する『OS X バージョン10.1』に変える簡単な方
法が見つかったのだ。

 『OS X 10.1.1』は、OS Xの中の、ある特定の機能をアップデートするこ
とだけを目的としているCDで、19.95ドルで販売されている。アップル社
は、OS X バージョン10.1の完全版を129ドルで販売している。

 マック・フィックス・イットは、この発見の詳細――アップデート用CDの
ファイルから特定のモジュールを削除するなど――をサイトに掲示した。ほ
どなく同サイトは、アップル社の弁護士から、この記事を即座に削除しない
と訴訟を起こすという文書を受け取った。

 マック・フィックス・イットを運営している米テックトラッカー・ネット
ワーク社と、アップル社の両方にコメントを求めたが、コメントは得られな
かった。

 マック・フィックス・イットのサイト上にある声明には、次のように書か
れている。「アップル社はわれわれに対し、OS X バージョン10.1に対する
アップデート用CDを、フルに機能するインストール用CDに変える方法に関
する情報を取り除くよう、求めて来た」

 「われわれは、この情報は、ある種のトラブルを解決することに関する正
当な方法を提供するものだと考えている(オリジナルの記事ではそのことを説
明した)し、違法なことを提唱していたとは思わない。しかしアップル社の懸
念については理解するので、それに協力することにした」

 アップル社の技術コンサルタントであるスティーブ・ジャーベン氏は、こ
の件について、アップル社がマック・フィックス・イットの情報公開に「怒
った」ことは理解できるが、変換されたインストーラーが、ある技術的問題
を効果的に解決するという指摘は重要だ、と述べた。

 「『OS X 10.1.1』によるアップデートに満足しない人がいたとしても、
このCDでいったんアップデートすると、これまで満足していたバージョンに
戻すことはできない」とジャーベン氏。「問題のモジュールを取り外せば、
アップル社の利益には反するかもしれないが、それで10.1に戻すことができ
る。完全なOS Xを20ドルで手に入れようとは思っていないけれど、この情
報は欲しい、という人もいるかもしれない」

 マック・フィックス・イットは、問題の記述を取り下げたが、アップデー
ト用CDをフルバージョンOSに変換する方法はインターネット上の各種ウェ
ブサイトやニュースグループに急速に広がっている。

 ニューヨーク在住の弁護士であるマイク・エイブラムズ氏は、「アップル
社は、ウェブサイトに対してならば、不当行為の停止を要求することができ
る。しかし、ユーズネット上でデータが流出すれば、それを止めることはで
きない」と語る。「ユーズネットに責任を持っている人はいない。だから、
法的な行動に出るぞといって脅迫できる相手がいないのだ。弁護士として事
態を見るに、アップル社はかなり困っているはずだ」