残念ながら、インストールが使用許諾の先か後かはあまり重要ではありません。
 同意したはずの使用許諾が無効と判断されることがあるように、明示的に同意し
てなくても、使用許諾に「黙示的」に同意したと判断される場合があります。

 全ての使用許諾に目を通したわけではありませんが、Appleが用いている使用許諾
は、配付形態(無償配布、もしくは有償配布)によって同一の文言になっている
と思われます。また、「同意」とインストールの順序も通常は、「同意」→インス
トール開始なのではないでしょうか(ここは自信がないのですが)。

 だとすると、仮に使用許諾の画面が出ていなかったために「同意」をクリックして
いなかったとしても、iTunes2をインストールしたのならば、通常ならばインストー
ル前に表示されるであろういつもと同じ文言の使用許諾に、「黙示的」に同意したも
のと考えるのが、当事者の合理的な意思だとも考えられます

 これに対しては、「同意する必要がないと思ったため、インストールした」とい
う反論をすることができます。これが認められれば、使用許諾には拘束されません。
 ただし、これを証明する責任を負うのはインストールした側で、それは非常に困
難です。そしてこの証明に成功しなければ、裁判所が先の合理的意思を認めれば、
使用許諾に同意したと判断されることになるのです。

 以上のようなことから、形式的な「同意」へのクリックの有無は、使用許諾の成立
不成立に際しては重要ではないということができるのです。