(1),(2)の各犯行は,被害者を殺害して姦淫し,その犯行の発覚を免れるために 被害児をも殺害したのであって,
各犯行の罪質は甚だ悪質であり,動機及び経緯に 酌量すべき点は全く認められない。
強姦及び殺人の強固な犯意の下で,何ら落ち度 のない被害者らの尊厳を踏みにじり,生命を奪い去った犯行は,
冷酷,残虐にして非人間的な所業であるといわざるを得ず,その結果も極めて重大である。
被告人 は,被害者らを殺害した後,被害者らの死体を押し入れに隠すなどして犯行の発覚 を遅らせようとしたばかりか,
被害者の財布を盗み取って(3)の犯行に及ぶなど, 殺人及び姦淫後の情状も芳しくない。
遺族の被害感情はしゅん烈を極めている。
被告人は,原審公判においては,本件各犯行の故意や殺害態様等について不合理な弁解を述べており,真摯な反省の情をうかがうことはできない。
平穏で幸せな生活を 送っていた家庭の母子が,白昼,自宅で惨殺された事件として社会に大きな衝撃を 与えた点も軽視できない。
以上のような諸事情に照らすと,被告人が犯行時少年であったこと,被害者らの 殺害を当初から計画していたものではないこと,被告人には前科がなく,更生の可 能性もないとはいえないこと,
遺族に対し謝罪文と窃盗被害の弁償金等を送付した ことなどの被告人のために酌むべき事情を十分考慮しても,被告人の刑事責任は余りにも重大であり,
原判決の死刑の科刑は,当裁判所も是認せざるを得ない。