宿敵、相沢祐一殿。沢渡真琴の遺言をかなえ給え。

何故なら君は私にとって、そして私は君にとって
生涯の敵であり、兄弟であり、障害物であり、そして伴侶なのだから。

繰り返す。沢渡真琴の遺言をかなえ給え。
今から君はこの事実を水瀬家に流し、結婚式を行い、この世から沢渡真琴の名を完全に葬り去ってもらいたい。

思えばものみの丘の狐が沢渡真琴に生まれ変わり歩んだ半月。
それは同時に祐一のために、美汐のために歩んだ半月と言えるだろう。

私が奇抜な行動で世間を騒がせるほどに――君は持ち場を堅持しつづけた。

半月――もう十分だろう。半月をもってこの生活を終了にしたい。


落ち着いたら君にある人物を尋ねてもらいたい。
ものみの丘在住のその人物は君のよく知る男である。
気難しい人なので、一人で訪ねてもらいたい。
少女漫画と――肉まんをこよなく愛する人なので手土産をどうか――きっと君を心から歓迎することだろう。

「沢渡真琴ッッッ」
(ビクッ)
「いや〜〜バレバレだわ」
「やっぱり?」

真琴シナリオ 完(完結)