はるかの手は思っていた以上にすべすべとしていて、
やはり性別だけは女性であることを実感させられる。
 しばらく、そうやって手を繋いでいたが、特に反応はない。
「……これくらいじゃ、駄目かね」
「じゃあ、こうする」
 はるかがするりと俺の脇に吸い付いてきた。
 俺に腕を絡ませ、胸を押し付ける――まあ、これくらい控えめな
感触だと、あまり嬉しくないけど。
「あまりかい」
「?」
 思わず、自分で自分にツッコんでしまった。
 しばらく、そうしてはるかと恋人らしい状態を楽しむ。
 それでもやっぱり反応はない。
「冬弥」
 はるかが俺を呼んだので、反射的にすぐ下にいる彼女の顔を
覗き込もうとする。
「どうした?」
 俺の問いにはるかは答えず、突然キスした。
 ……キス、された?
 ……おいおい。
 なんというか、あんまり突発的な出来事だったので、
かえって冷静に物事を考えてしまう。
 こんなところでキスはないだろとか、
 いくらなんでもやりすぎだろとか、
 ああでもはるかの唇が柔らかくて気持ちいいなぁとか、
 つまり俺は混乱中なのだなあとか。
「んっ……んっ」
 俺はチラリと周りを見ると、突然始まったキスシーンに
周囲は唖然としてこちらを窺っている。
 俺の視線に気付くと、気まずそうに眼を逸らし始めた。