「冬弥、私、告白された」
「ふーん」
 そうかい、そりゃおめでとさん。
「……」
「……」
「……」
「……何ィ!?」
 あんまり唐突なはるかの言葉に、俺は思わずコケた。
 聞けば、駅で肩を叩かれるなり、頬を染められながら
ラブレター(今時?)を渡されたんだそうだ。
 内容によると、時々電車で見かける貴女の横顔に惚れただの
なんだの……ということらしい。
 要はいつも同じ電車の同じ場所の同じ席に座ろうとするはるかが
目に付いたってことだろう。
(なぜかはるかはこういう事に拘りたがる、もう少し他のことに
拘りを持って欲しいものだが)
「困ってるの」
「まあ、そりゃ困るだろうな……」
 とか言いつつ、相手がそれなりにいい奴なら、はるかだって
男と付き合うのも悪くないんじゃないか、と俺は思った。
「それで……返事は?」
「まだ」
「早くしてやれよ」
 由綺と付き合う前、一度思い切って憧れていた女の子に
告白したことがある。
 その時は一週間待たされて、「ゴメンなさい」だったけど、
あの一週間ほど辛く長い日々はなかった。
「冬弥、一緒に行ってくれない?」
「……なんでさ」
 人の恋路を邪魔する権利は俺にはないと思うんだが?