かちゃりと、ドアが開く。
「−−綾香…様……」
 そこに立っていたのは、何もお召しになっていない綾香様だった。
「ふうん、セリオもオナニーなんかするんだ」
 にやりと笑って、綾香様が口を開く。
「私はここで待っててってお願いしただけで、オナニーショウを見せろってお願いしたつもりはないんだけどな」
 綾香様のお言葉に、顔がかあっと熱くなるのが分かる。
 ……もちろん、そんな機能はないはずだ。
 もちろん我々だって「人に見られて恥ずかしい行動」はとらないようにする。
 しかし、それは「そのようなことはしないものである」というプログラミングと判断の結果であって、決して、「恥ずかしいから」ではない。
 ない、はずなのに……今、私はきっと「恥ずかしい」のだろう。
「ふふ、いいのよ。セリオにだって性欲はあるのよねー」
 綾香様はすばやく私の後ろに回ると、きゅっと私の体を抱きしめる。
 綾香様の暖かさが、綾香様の柔らかさが、
 そして、きっと先ほどまで睦み合っていたゆえであろう、綾香様と藤田様の体臭が、
 私を、包む。
 それだけで、このままどこかにいってしまいそうになるほど、心地いい。