「え…どこか壊れたのか」
「はい。マスターの手を借りることになってしまったことが、嬉しく思えます」
「セリオ…」
彼は私の上体を強く抱きしめた。彼の体温を感じながら、不思議と体が軽くなったような感覚にとらわれる。
「…やっぱり、異常なのかもしれないな」
そういう彼の顔は、笑っていた。私は彼の手を煩わせたことが、なぜか嫌ではなかった。
私は彼に向かって言う。
「今日から私はあなた専用のメイドロボです。よろしくお願いします」
それは予めプログラムされた言葉ではない、私の思考から出てくる言葉だった。
「今日は全機能をフル回転し、努力させていただきます」

HMX―13型セリオ。起動します。