>>51の続き

「おはよう、沢口」
「俺は沢口じゃない、南だ。おはよう、折原」
 教室に入るなり、いきなり名前を(故意に)間違われる。
 いつもの事と割り切って、自分の本名を軽く指摘しつつ挨拶を返すのはもはや手馴れたものだ。
 自分の座席、その後ろには今朝、夢に出てきた片想いの女の子が座っている。
 その少女――里村茜は無表情だったが、なんとなく機嫌がよいようだった。彼にはそれが判別できた。
 南は2年近く茜のことを想い続け、見つめ続けていたため、茜の微かな表情の変化から感情が読み取れた。
「おはよう、里村」
 今朝の夢のこともあってか、とりあえず挨拶をしてみる。そして席に着こうとする。
 茜はいつもならば軽く会釈を返すだけなのだが……。
「おはようございます、南君」
 今日は南に挨拶を返してくれた。茜は相変わらず無表情のままだったが、南にはわかった。
 茜は先ほどよりも機嫌がよくなっていた。まるで南に声をかけられたのを喜んでいるかのように。
「ああ、おはよう!」
 もう一度挨拶をして南は笑った。今日は何だかよい日になりそうだな。彼はそう思った。
 ある晴れた日の朝の出来事である。


続きは書けたら書きます。今日は忙しくて……(泣