<連続マターリ小説・第二章>

「なぁ…やっぱりココなのか?」
無駄だと思いつつも、やっぱり聞いてしまう俺。
『ここなの』
 澪が案内したのは、やっぱりと言うか当然というか、寿司屋だった。
当然の如く、俺には寿司を食う程の持ち合わせなんか無い。牛丼並盛が
関の山だ。…奮発すれば玉子もいけるが。
「悪い、俺今日そんなに持ち合わせないんだ…」
 先手必勝。俺は澪にそう答えた。だが澪は涼しげな顔でペンを走らせる。
『大丈夫なの』
『今日は月に一度のチャレンジデーなの』
 …チャレンジデー?なんだそりゃ…
 疑問に思って入り口を見ると、そこには一枚の張り紙が。
<毎月第2日曜日は大食いの日。にぎり10人前30分以内で完食すれば
お代は頂きません!>
 …マジ?今日じゃねーか…呆気に取られつつ、さらにその下を見ると
 <年忘れ企画!今月は完食された方全員に「素敵なプレゼント」!!>
 …行くしかないんだろうな、このシチュエーションだと。
 意を決して、俺は澪の手を取った。ちょっとばかり「素敵なプレゼント」が
引っかかるが…
 「行くぞ、澪。俺たちの力で素敵な昼飯を満喫しようぜ!」
 寿司屋の暖簾をくぐる、男女一組。この時はまだ、後に起きる悲劇の事など
知るよしもなかったのである。

(…恐らく続く)