場内に漂う高揚感まだ続いている。
拍手と感動の余韻を厚い布の向こう側に感じながら
演劇部員たちは舞台成功の喜びを分かち合っていた。

ほう、とため息。
すごい緊張して、夢中で演技して、ちょっと間違っちゃったけど
無事最後まで演技できた。
厳しい激しい練習の日々を思い出して、ちょっと涙ぐんでいた。
先輩たちになでてもらって、ちょっと照れくさかった。

撤収を済ませ、ごたごたした部室に戻った。
先輩たちは、これで最後なんだなぁ…と
深い感慨で胸をいっぱいにしながら。

ふと、自分の宝物…古いスケッチブックの異常に気付いた。

大切な人のために残しておいた、最後のページ。
少し色あせた白いページに。

『さよなら、澪。』


頭の中で、何かが、はじける音がした。