<連続マターリ小説・最終章>

 「それまでっ!」
 おばちゃんの非情なまでの掛け声とともに、激動の30分は幕を閉じた。俺はと言うと…
 『あのね』
 『やったの!』
 『おめでとうなの!!』
 何と30分ギリギリで最後の玉子を飲み込んだところだった…完食だ。
 思わず「エ○ドリアーン!」を叫びそうになるのを必死にこらえつつ、勝利の余韻に
浸る…嗚呼、お茶が美味い。
 「若いのに良く頑張ったね。ほら、これが商品だよ」
 おばちゃんが俺たちに白い封筒を手渡した。ふと店の奥を見ると、カウンターの奥で
大将ががっくりとうな垂れていた。…勝負に犠牲は付き物だ。
 「それじゃあ、帰るか」
 『うん。帰るの』
 俺たちは「素敵なプレゼント」を貰い、寿司屋を後にした。
 「なあ、これって何だろうな?」
 寿司屋のおばちゃんから手渡された封筒を眺めつつ、澪に尋ねた。
 『あけてみるの』
 二人同時に開けてみたその中身は…

 「特上にぎり寿司引換券(有効期限:12月31日まで)」

 その文字を見た瞬間、俺の意識はそこで途絶えた…
 『あのね』
 『来週も一緒にお寿司なの♪』
 薄れ行く意識の中、澪のスケッチブックがやけにはっきりと見えたのは、神の仕業
か、それとも悪魔の仕業か…

(…とりあえずお終い)